[発行] 大分大学医学部附属病院広報誌発行委員会

「先進医療」について

病院長  古 林 秀 則

 先進医療とは一般の保険診療で認められている医療の水準を超えた技術として厚生労働大臣から承認された医療行為であります。平成18年10月の健康保険法の一部改正により、従来の高度先進医療と先進医療が統合されて新制度の先進医療に再編されました。平成19年7月1日現在で先進医療技術117種類、711件の先進医療を実施している医療機関が承認を受けています。先進医療の費用は自己負担になり、通常の治療と共通する部分(診察・検査・投薬・入院料等)の費用は一般の保険診療と同様に扱われます。先進医療にかかる費用は医療の種類や病院によって異なります。先進医療は将来的な保険導入のための評価を行うものとして、保険診療との併用が認められており、実施している保険医療機関は定期的に報告を行っています。

 

本院既承認の先進医療(平成19年7月1日現在)
 
先進医療の名称
算定開始年月日
実施診療科
1 経皮的埋め込み電極を用いた機能的電気刺激療法 平成9年9月1日 脳神経外科
2 腹腔鏡下肝切除術 平成15年4月1日 肝胆膵外科
3 腹腔鏡下膵部分切除術(体尾部切除を含む) 平成18年1月1日 肝胆膵外科
4 硬膜外腔内視鏡による難治性腰下肢痛の治療 平成19年3月1日 麻酔科
5 超音波骨折治療法 平成19年6月1日 整形外科
6 乳がんにおけるセンチネルリンパ節の同定と転移の検索 平成19年6月1日 乳腺外科

 

(承認後に保険収載された高度先進医療)
高度先進医療の名称
算定開始年月日
保険収載年月日
実施診療科
血管内超音波による診断法 平成7年7月1日算定開始
平成8年4月1日保険収載
内科第一
腹腔鏡下副腎摘出術 平成7年7月1日算定開始
平成8年4月1日保険収載
泌尿器科
直線加速器による定位放射線治療 平成9年9月1日算定開始
平成10年4月1日保険収載
脳神経外科
放射線科

 

 先進医療を受ける時は最初に治療内容や必要な費用などについて説明を受けます。説明内容について十分に納得した上で同意書に署名し治療を受けることになります。先進医療を受けると先進医療に係る費用、通常の治療と共通する部分の一部負担金、食事の標準負担額などを支払いますが、それぞれの金額を記載した領収書が発行されます。この領収書は税金の医療費控除を受ける場合に必要となりますので大切に保管して下さい。本院で実施されています先進医療の詳細については順次この「かけはし」で紹介させて頂きます。

 

 

最終更新日時: 大分大学医学・病院事務部管理課作成