大分大学医学部公衆衛生疫学講座

研究室配属 laboratory assignment

    目次

  1. 2020年度の概要
  2. 分析結果
  3. 配属期間中の流れ

1. 2020年度の概要

今年度は以下のテーマについて分析を行いました。

・日本人における脳卒中の生涯リスク
・小4児童における4年後の肥満発症を予測するポイントシステムの構築

2. 分析結果

■テーマ:日本人における脳卒中の生涯リスク

 脳卒中の生涯リスクが、高血圧・糖尿病などのリスクファクターによってどのように変化するのか分析を行いました。
 大洲市の地域住民コホート研究のベースライン調査(1996~1998年)に参加した成人(30~96歳)のうち、脳卒中の既往のない5,114人を対象に、Practical Incidence Estimators(PIE)macroを用いて解析しました。
(追跡期間の中央値は19.3年)
 結果、50歳男性の未調整の脳卒中発症生涯リスクは、高血圧群18.9%、糖尿病群28.7%、非高血圧群・非糖尿病群10.0%でした。女性は、それぞれ17.1%、27.1%、11.6%でした(figure)。

<figure. 脳卒中の生涯リスク(競合リスク未調整)>



■テーマ:小4児童における4年後の肥満発症を予測するポイントシステムの構築

小児の肥満の関連要因を多角的に明らかにし、肥満の予測モデルおよびポイントシステムの構築およびフェイススケールを作成しました。
 別府市学童健診受診者8635名の内、小4と中2で健康診断を受け、小4で肥満のなかった1462名を対象として解析を行いました。
 非肥満の小4児童において、睡眠不足、高血圧、脂質異常、糖代謝異常および親の「子供が最近急に太った」という主観が4年後の肥満発症の予測因子となることが明らかとなりました。
 ポイントシステムやフェイススケールを活用することで、小児の肥満発症や生活習慣病予防に貢献できることが期待されます。

<Table 4年後に肥満を発症する確率>


 ①   ②    ③

<Figure べっぴょんフェイススケール>

3. 配属期間中の流れ

期日 項目 内容
5/7(木) 研究室配属開始 オリエンテーション
(研究テーマ・データ・進め方・ミーティングについて)
 A. ★早速、SASによるデータ解析入門をテキストとして、SASの使い方の習得
   ★少し慣れたころ(2~3日くらい)、データ解析でよく使うプログラムについてミニ講習

 B. ★各自、どのテーマについて取り組むかを決める
5/11(月) ミーティング 説明(データの解析・まとめ方について)
5/18(月) ミーティング Pre研究計画発表会
背景・目的をメインに発表
※研究の背景(目的・対象)は、先行研究を20~30本読んで、新規性のある目的を書くこと。
(END NOTEを用いて文献整理を行う。)
5/25(月) ミーティング 教授の助言を得て、修正。この後、分析に入る。
〈以降、毎週月曜日にミーティング(進捗報告・検討会)〉
7/10頃 抄録締め切り
7/22(水) 研究室配属発表会
配属期間終了