大分大学医学部

教授

兒玉 雅明

KODAMA Masaaki


Helicobacter pylori感染症と除菌後胃癌の画像診断

胃の中に生息するHelicobacter pylori(ピロリ菌)感染による疾患の内視鏡診断、病理組織学的診断について研究をしています。ピロリ菌は、胃の表面に住み着いて強い胃粘膜傷害、慢性萎縮性胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍を引き起こし、胃癌の原因となります。ピロリ菌が感染することで胃粘膜上皮細胞にどのような傷害が起こるかを形態学的、ゲノム上で解析し、またピロリ菌除菌治療を行った後10年以上の長期間、胃粘膜が修復する過程を世界で初めて観察しました。今は除菌治療後に認められる胃癌の特性を解析しています。

また、日々進歩する消化管内視鏡による胃癌をはじめとする胃粘膜診断、内視鏡画像の解析、機器や画像について研究をしています。

以前胃の中は強い酸の影響で無菌状態であると言われていましたが、1983年にオーストラリアのウォーレン、マーシャル両博士がこの菌を発見しました。発見当時は、ばい菌が潰瘍や癌の原因になる訳がないとかなり批判を受けましたが、やがてそれが実証され2005年ノーベル医学生理学賞の栄誉を受けました。皆さんも常識にとらわれない研究を目指してみませんか。