• 大分大学医学部

  • 臨床薬理学講座

初期臨床研修

診療科等の概説

臨床薬理学講座は新しい創薬ターゲットに焦点をあて、臨床研究を実施することによって新薬の実用化に向けた業務を行っている。また新しい治療である治験、未承認薬などの相談、有害作用などの薬物治療におけるコンサルテーションなどの業務も行っている。この目的のために、臨床薬理センターは患者さんからの薬物治療に関する相談、地域の患者さんを対象にした薬物治療コンサルテーション(ポリファーマシー外来、副作用外来など)、治験、先進医療、患者申出療養などの先進的な医療の相談を実施している。

さらに専門外来として心身医学領域の診療を行い、医療コミュニケーションの教育も担当している。また、総合臨床研究センターでは、薬物治療の有効性と安全性を高め合理的薬物治療が行われるように支援することと、質の高い臨床試験・臨床研究が附属病院内で円滑に実施できるように支援している。

研修の特徴と目標

研修の特徴

薬物治療の根本であるエビデンスを創出する臨床研究を独自に企画し、プロトコールを作成することを目標とする。このために、臨床試験の専門家や生物統計の専門家の指導を受けることができる。また、薬物治療に求められる薬物動態学、治療薬物モニタリング、薬物遺伝子多型検査を学ぶことができ、医療コミュニケーションの実際を経験できる。

研修の目標

将来専門とする科等(臨床薬理センター・総合臨床研究センター)での一般目標治験を含む臨床研究の意義を理解し、臨床研究を独自に企画し、プロトコールを作成することができる。

行動目標(SBOs)

将来専門とする科等(臨床薬理センター・総合臨床研究センター)での行動目標医療人として必要な基本姿勢・態度を習得し、医師としての義務である治験を含む臨床研究の背景、倫理、行政的規制、生物統計などを理解する。

  • 患者、家族のニーズを身体・心理・社会的側面から把握できる。
  • インフォームドコンセントが実施できる。
  • 臨床上の疑問点を解決するための情報を収集して評価し、EBMの実践ができる。
  • 治験を含む臨床研究の意義を理解し、研究や学会活動に関心をもつ。
  • 臨床研究を独自に企画し、プロトコール、同意説明文書を作成することができる。
  • 生物統計の意義を理解し、臨床研究に応用する。
  • 薬物有害反応の評価、重篤な有害事象への対応ができる。
経験目標
A. 医療面接

臨床薬理学は患者における薬物治療の個別化をめざす領域であり、良好な医師―患者間のコミュニケーションが重要である。また、患者・家族との信頼関係を構築し、診断・治療に必要な情報が得られるような医療面接を実施するために、

  • 医療面接におけるコミュニケーションの持つ意義を理解し、コミュニケーションスキルを身に付け、患者の解釈モデル、受診動機、受療行動を把握できる。
  • 患者の病歴(主訴、現病歴、家族歴、生活・職業歴、系統的レビュー)の聴取と記録ができる。
  • 患者・家族への適切な指示、指導ができる。
  • 治験を含む臨床研究のインフォームドコンセントが実施できる。
B. 基本的治療法

薬物の作用、副作用、相互作用について理解し、薬物治療ができる。

C. 臨床研究法
  • 治験を含む臨床研究の意義治験、臨床試験、臨床研究が区別することができ、意義を理解する。
  • 臨床研究の倫理臨床研究の基本となる倫理、ヘルシンキ宣言について理解する。
  • 臨床研究に関する法律、ガイドライン臨床研究に関するGCP、臨床研究倫理指針などを理解する。
  • 生物統計

指導体制

(1)責任者体制

臨床薬理センターおよび総合臨床研究センターでの研修における管理運営は研修指導責任者が担当する。研修指導全体を総括しての責任は研修総括責任者が負い、定期的に指導医および研修医との研修指導に関わるミーティングを開催する。指導医は研修医が受け持つ患者の診療に直接参加し、研修医の診療場面での責任を担う。

研修総括責任者 上村 尚人(教授、センター長)
研修カリキュラム責任者 甲斐 恵(准教授、医局長)
研修指導責任者 甲斐 恵

(2)主治医の体制・チーム体制

研修医は研修指導責任者と共に主治医グループを形成し、主治医の1人として患者を受け持つ。

(3)検査・治療の指導体制

受け持ち患者の検査、治療方針について指導医と相談し、計画実行していく。

(4)臨床研究指導体制

研修カリキュラム責任者が臨床研究法のカリキュラムを提示する。生物統計については専門家が指導する。

(5)達成度のチェック方法等について

各研修医につき研修カリキュラム責任者が、研修医の研修到達点を毎週チェックし、必要に応じ研修医の研修スケジュールを調節して到達目標達成の援助を行う。

(6)総合的な評価方法について

各研修医につき研修カリキュラム責任者が、研修医の研修到達点を毎週チェックし、必要に応じ研修医の研修スケジュールを調節して到達目標達成の援助を行う。

研修方略(研修方法)

オリエンテーション

  • 研修システムについて
    治験を含む臨床研究の習得を志す研修医であり、研修2年目以降が望ましい。
  • 指導体制について
    臨床薬理学講座、臨床薬理センター、総合臨床研究センターにおける専門家が対応する。
  • 外来について
    希望者は、心身症外来において研修を行う。
    治験被験者の医療面接を行う。
  • 研修カリキュラムについて
    研修医のレベルに応じて研修カリキュラム責任者が個別にカリキュラムを提示する。
  • 評価表について
    EPOC(オンライン臨床研修評価システム)で行う。

外来研修

  • 治験被験者の医療面接
  • 外来薬物治療研修
  • 未承認薬の臨床使用に関する事前相談
  • 治験、特定臨床研究を含む臨床研究の相談

症例検討会・カンファレンス・医局勉強会(臨床薬理センター)週にそれぞれ1回

  • プライマリーケアを中心とした薬物治療センター
  • 抄読会
  • 医療の質を向上させるセミナー

学会及び研究会

  • 指導医と相談の上、学術集会や研究会で報告する

当直

  • 原則的にない。

その他

臨床薬理学指導医、生物統計専門家が研修指導にあたる。臨床研究の習得を志すには、臨床研修を一通り終了した研修2年目以降が望ましい。

担当連絡者
  • 甲斐 恵(准教授、医局長)
  • 097-586-5952
  • meg8577loajrhgpdummy@oita-u.ac.jp
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