病院長 茂木 五郎
一昔前まで、大学附属病院は医師養成のための病院とされていましたが、今日では全ての病院に共通な理念である「患者さんのための病院」が最優先されます。その上で、高度先進医療を行い、教育、研究、研修をすすめる多機能病院と言えましょう。
大分医科大学医学部附属病院は昭和56年開院以来、 「あたたかい最良の医療を─患者さんや御家族の立場になって!─」をモットーとしてきました。医学、医療は日進月歩であり、本院の医療も絶え間なく変革しております。開院当時にはなかった心臓血管外科、医療情報部、総合診療部、救急部、輸血部、内視鏡部等の診療科や診療施設がかなり増えており、これらは本院では大切な部門として活動しております。しかし、 受診される方々には本院の組織や、各診療科の特徴等が必ずしも十分知ってもらってるとは限りません。そればかりか、院内でも他の部署の実際がお互いに意外と分かっておりません。いまや情報社会であります。したがって、病院に関することばかりでなく、これからの医療や大学病院の進む方向などの広報が必要であります。たとえば、もうすでに実施されていることでありますが、なぜ院外処方か、などを詳しく説明できるかもしれません。また、総合診療部という新しい部門では、どんな患者さんを診るのかなどがご理解頂けるでしょう。さらに看護部、薬剤部、放射線部、検査部等の活動を適時紹介できるものと思われます。また逆に、患者さんからのご質問にお答えするコーナーなど広報誌発行委員会で検討されることでしょう。
インターネットの時代に今更広報誌というご批判もあろうかと思われますが、この「かけはし」が患者さんには来院時に、職員には休憩時にでも読んでもらう気軽な読み物となれば幸いです。この広報誌が大分医科大学医学部附属病院のこ理解を深めるための一助となれば、また本誌を介して職員がお互いの持ち場を理解し合い、よりよい病院へと発展することを願う次第であります。