教授に就任して
免疫アレルギー統御講座(内科学第3)教授
熊 本 俊 秀

この6月1日より大分医科大学医学部免疫アレルギー統御講座(内科学第3)を津田富康名誉教授の後任として担当させて頂くことになりました。当教室は初代の岡嶋 透元副学長以来、主に神経疾患、呼吸器疾患、消化器疾患領域の診療に携わってきました。診療では、各専門領域の全ての疾患にわたって最高レベルの医療を提供するよう努力しています。とくに神経内科では、脳卒中、頭痛、てんかん、痴呆、パーキンソン病などの日常的な疾患の他、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症、多発筋炎、筋ジストロフィー、脊髄小脳変性症、重症筋無力症などの神経難病の診療にも力を注いできました。また、診療とともに病気の原因解明や新しい診断法、治療法の開発を目指して研究を行っております。どんなに原因が不明な病気でも、そのヒントは必ず患者さんの中にあり、患者さんを丁寧に診察し、一生懸命診療を行うことが病態解明の糸口の発見につながると確信しております。今後もこうして得られたヒントを基に新しい治療法の開発に寄与し、その成果をいち早く患者さんに還元したいと願っています。
神経や呼吸器疾患には、原因不明で、未だ治療法の確立されていない難病も多く、また、高齢化社会の中で、“惚け、寝たきり”も大きな問題です。こうした病気が起る原因やメカニズムを明らかにするとともに、その予防法やケア、緩和医療の方法を確立し、専門的立場から患者さんの療養支援にも取り組むつもりです。
また、附属病院は医師を育てる教育機関でもあります。たとえ難病の患者さんに対しても「医学的に治すことは出来なくても、患者さんに何らかの医療を与えることはできる」「人は病気になっても生きられる」という信念で、患者さんに優しい医師の育成に努めております。そのためには学生や研修医が患者さんに接し、そこで患者さんから直接学ぶことが極めて重要です。どうか皆様方のご支援とご協力を賜りますよう心よりお願い申し上げます。
|