[発行] 大分医科大学医学部附属病院広報誌発行委員会

《栄養相談室から》

あなたの血圧は正常ですか?

 「高血圧」とは、成人で「収縮期血圧140mmHg以上、または拡張期血圧90mmHg以上である場合」と定義されています。現在、日本では男性の5人に1人、女性の7人に1人が高血圧といわれています。食生活の乱れや運動不足に加え、ストレス、喫煙、多量飲酒などの生活習慣が高血圧を招きます。高血圧は血管や心臓に負担をかけ、動脈硬化や、ひいては心不全、脳梗塞などを引き起こす原因となります。“血圧が高め”と言われたら、自覚症状はなくても生活改善が必要となります。

 高血圧予防のためには、塩分(ナトリウム)の摂り方を抑えることが第一です。厚生労働省は、成人の1日あたりの食塩摂取量を10g未満に減少させることを目標にしています。すでに高血圧と指摘されている方は1日7g以下を目標としましょう。

 今回は、血圧を正常に保つために注意したい、食事のポイントをお話しします。ちょっとご自分の食生活を振り返ってみませんか?

@ 汁物は1日に何杯飲んでいますか?
 みそ汁・すまし汁・スープなどは、1杯で約2gの塩分を含んでいます。汁物を1日1杯にするだけでも減塩効果があります。また、麺類のつゆは飲まずに残しましょう。

A 味付きの主食をとる回数は多すぎませんか?
 炊き込みごはん、チャーハンなどの、味のついた主食はそれ自体、塩分を含みます。まずは回数を今の半分、できれば週1回くらいにするとよいですね。

B 加工食品をよく利用しますか?
 塩分はすべて「塩」からとっているわけではありません。干物や練り製品、塩蔵品、漬物などの加工食品に含まれる「見えない塩分」にも注意しましょう。
 加工食品に表示された“ナトリウム”から、以下の式によって塩分相当量に換算することができます。栄養成分表示を上手に利用しましょう。

ナトリウム(g)×2.54=食塩(g)

C 肉料理がついつい多くなっていませんか?
 魚の油に含まれるDHAやEPAといった物質は、中性脂肪やコレステロール、血圧を下げ血栓を防ぐ働きを持っています。肉料理中心の食生活を見なおし、週に4〜5回は魚料理を登場させましょう。

D 大豆製品を摂っていますか?
 大豆には降圧作用や抗酸化作用をもった物質が含まれていますので、動脈硬化予防に効果的です。豆腐や納豆、油揚げなどの大豆製品を1日に1品はとり入れましょう。

E 野菜は食べていますか?
 野菜や果物には、血圧を下げる作用のあるカリウムが多く含まれています。また、食物繊維がナトリウムの吸収を抑えてくれます。野菜は毎日欠かさずとるようにしましょう。
 果物も1日1回とるとよいですね。

F 体重は適正ですか?
 肥満している人は、適正体重に近づけるだけで、血圧が下がる場合があります。食事量の見直しを行うとともに、間食やアルコールの摂り過ぎに注意しましょう。
 適度な運動も取り入れるとよいですね。

身長(m)2×22=標準体重(kg)

 

 

☆毎回の食事で、主食(ご飯・パン・麺類)、主菜(魚・肉・卵・豆腐など)、副菜(野菜・海草類)をそろえ、栄養バランスのよい食事をこころがけましょう。

(文責 栄養管理室 廣田 優子)

最終更新日時: 大分医科大学総務部庶務課文書係作成