新年のごあいさつ
大分大学医学部附属病院
病院長 中 野 重 行

明けましておめでとうございます。大分大学医学部附属病院になって初めて迎える新しい年です。新しい気持ちで、本院の更なる充実を目指したいと思います。そのために、副病院長制度を新たに設けて、葉玉哲生副病院長(総務・企画・経営担当)、犀川哲典副病院長(安全管理担当)、宮川勇生副病院長(卒後臨床研修担当)に就任していただきました。本院の職員の力を結集して、努力していきたいと思っております。
前号の「病院長に就任して」の中で少し触れた「豊の国医療ルネッサンスプロジェクト」は、「質の高い医療」と「健全な経営」という両輪によって進む私共の行動目標です。再生・復興といったルネッサンスという言葉の持つ語感を大切にしながら、私共職員の一人ひとりが「医の原点」を見直して、医療の質の充実を図っていこうという趣旨です。そして、この豊の国の地に住む多くの方々と力を合わせて、本院の社会的使命を果たすために、共通の努力の方向性を示すものとして名づけた名称です。
言うまでもないことですが、医療は患者さんのためにあります。そのために本院に課せられた社会的使命は、多岐にわたります。質の高い医療を提供して豊の国で中核的役割を担うだけでなく、医療の中身が温かくて安心できるものでなければなりません。また、絶えず質の良い医療を提供するには、次の世代を背負う医学生・看護学生・研修医・コメディカルスタッフの医療教育が重要となります。さらに、これらを支える医療技術の水準を高めるために、信頼できるエビデンスを創る臨床研究の推進が求められています。
昨年11月に、医学科5年生になって客観的臨床技能評価試験に合格した学生に“Student
Doctor”の名称を与える授与式を行い、胸の名札にこれを明示することにしました。まさに「臨床医の卵」となったことが、誰の目にも判るようにしたわけです。学生ですからまだまだ未熟な点が多々あるかと思いますが、未来の医療を背負っていく彼らに温かい眼差しを送っていただきたいと思います。
皆様方のご理解とご協力を得て、豊の国の医療の質を高めていきたいと思いますので、今年もどうぞよろしくお願いいたします。
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