[発行] 大分大学医学部附属病院広報誌発行委員会

「臨床薬理センター長に就任して」

薬効薬物動態治療応用講座(臨床薬理学)教授
    臨床薬理センター長  大 橋 京 一

 

臨床薬理センター長写真 平成17年2月1日より大分大学医学部薬効薬物動態治療応用講座(臨床薬理学)並びに臨床薬理センターを担当させて頂くことになりましたので、一言ご挨拶を申し上げます。臨床薬理学は合理的な薬物治療の確立を目的とした学際的研究領域です。まだ、我が国では比較的少ない講座ですが、大分大学では創立時より作られ、中野重行前教授(現病院長)により、臨床薬理学の中心として認められております。前任地の浜松医科大学の経験を生かして、これからますます薬物治療に関連した教室、部署の方々との共同研究を積極的に実施したいと考えております。

 また、臨床薬理センターは、全国の附属病院にある治験管理センターとは異なり、医薬品を創り、育てる部署として機能していきたいと考えております。臨床薬理センターでは、附属病院の治験を円滑に実施するため、創薬オフィスが医師主導の治験、自主臨床試験を含め、治験コーディネーターが支援する体制をとっております。また、創薬クリニックは治験専用外来として、いずれの診療科の先生でも治験を行えるようになっております。治験の空洞化が叫ばれておりますが、信頼性の高い治験をスピーディに実施することが求められております。今後は、大学病院単独で治験を実施することは困難な時代に入ってきており、大分大学附属病院を中核とした地域ネットワークを構築していくことが必要であると思っています。また、臨床薬理センターは心療内科の患者さんを中心に診療を行っており、医師-患者間のコミュニケーションの重要性を学生に教育しております。さらに薬物関連遺伝子情報や薬物血中濃度情報を用いた薬物治療の個別化(オーダーメイド医療)を実践する場にしたいと思っております。このためには病院関係者及び患者さんのご理解とご協力がなければなりません。どうぞ皆様方のご支援、ご協力を賜りますよう宜しくお願い申し上げます。

 

 

最終更新日時: 大分大学医学・病院事務部管理課作成