[発行] 大分大学医学部附属病院広報誌発行委員会

周産母子センター

〜野菜を食べよう!B〜

春キャベツ

 スーパーマーケットの野菜売り場には、さまざまな野菜が一年中並び、季節を感じることが少なくなりましたが、実はもともと春が旬の野菜が多いのだとか……。今回は、これからますますおいしくなる、“春キャベツ”についてお話します。

 キャベツこそ、季節に合わせた品種が多く作られており、年間を通して栽培され、店頭で見かけないことはありません(昨年の夏から秋にかけては、天候不良が続き、値段がとても高かったですよね!)。秋から冬にかけて種をまき、早春から初夏に収穫されるものを“春キャベツ”と呼びます。巻きがゆるやかで葉が柔らかいのが特徴で、みずみずしく甘みがあるので、サラダや浅漬けなどの生食に向いています。

 キャベツは、ビタミンCが豊富で、大きめの葉を2〜3枚食べるだけで一日の必要量が摂取できます。また、胃壁の粘膜を丈夫にし、胃の血流を増加させ、胃潰瘍などの潰瘍部分の修復をするといわれる“ビタミンU”が含まれています。ビタミンUはキャベツから発見された物質で“MMSC”として,胃腸薬にも配合されています。確かに,キャベ○○という有名な市販の胃腸薬がありますね。

 また、ビタミンUは、肝臓の働きを良くし、肝臓に脂肪がつくのを防ぐとも言われています。揚げ物やアルコールを摂る時にはキャベツを一緒に食べるようにしてみませんか。他に、授乳中のお母さんに特に摂って欲しいビタミンKや、がん抑制成分が含まれていることが明らかになるなど、とても魅力的な野菜なのです。

 春は入学や就職、転勤など環境の変化で多くのストレスがかかりやすい時期でもあり、意外と身体の不調を訴える人が多いものです。傷んだ細胞を元気にさせてくれる可能性があるキャベツを今こそしっかり、食べたいですね。

注 意……ビタミンUを含むキャベツは、消化をよくしてくれると誤解されやすいのですが、むしろ、食物繊維が含まれているので、消化は比較的良くありません。よく噛んで食べましょう。

選び方……春キャベツ:緑が濃く,葉に艶がある物。巻きがやわらかで弾力がある物を。
       冬キャベツなど:手に持って、見た目よりも重さを感じられる物を。芯の太さは500円硬貨くらいが目安。外葉の表面が紫がかってる物は、冬の露地物で、よりおいしいです。半分に切った物は、葉にすきまがなく、中央の芯の高さが全体の3分の2以下の物を選びましょう。

 

(文責 栄養管理室 利根哲子)

最終更新日時: 大分大学医学・病院事務部管理課作成