<直腸の手術と人工肛門>
近年増加している大腸がんの中で、肛門に近い直腸がんの場合、がんを完全に取り除く目的で、肛門を同時に切除します。この場合、肛門機能が消失するため、下腹部に永久的なストーマが必要となります。
<肛門機能を温存した手術>
最近、直腸がんの細胞レベルの拡がり程度や排便機能をつかさどる肛門括約筋および支配神経の役割が次第に明らかになってきました。これらの研究の進歩を受けて、本院では、一昨年より、肛門近くの直腸がんのなかで、経肛門吻合を用いて、永久的なストーマを造らずに直腸がんを切除する手術法(超低位直腸切除術)を行っています。(一時的なストーマは必要となります)(図1)

<腹腔鏡を用いた超低位直腸切除術>
さらに今年より、本院の特色である腹腔鏡下手術の技術を利用して、肛門近くの直腸がんに対しても、この超低位直腸切除術を行っています。腹腔鏡を用いることによって、小さな傷でからだに負担が少なく、永久的なストーマを造らない手術を行っています。
(図2)

<ご相談について>
本手術の適応、手術内容などの詳細は、外科外来の担当医師または看護師までご相談ください。
【外科外来連絡先:097−586−6840】
(文責 消化管外科 猪股 雅史) |