平成18年3月に病棟の電子カルテが稼動してからおよそ1年になります。これまで紙のカルテに手書きしていた記録を電子カルテ端末から記録するようになって、患者さんの診断や治療に関わる医療スタッフ間で診療情報を共有することが容易になりました。病院内にあるどの電子カルテ端末からでも同時に患者さんのカルテに記録することができますし、入力した記録は即座にどこからでも見ることができます。このように患者さんの治療に関わる医療スタッフが、いつでも、どの端末からでもカルテを参照できることにより、患者さんの最新の情報を瞬時に共有でき、医療スタッフにとっては安全な医療の提供に、患者さんにとっては安心な医療を受けることに役立っています。
このたび、平成19年5月14日から外来でも電子カルテを開始いたします。医師は、これまで外来の紙カルテに手書きしていた記録を電子カルテに記録していくことになります。ただ現時点では電子的に記録することが難しいものがあり、これらについては紙カルテに綴じる必要がありますので、これまで同様紙カルテも準備されることになります。時期を見計らって、準備する紙カルテを減らすようにしたいと考えています。患者さんは、これまでどおり検査結果や画像についての説明はもちろんのこと、電子カルテに記録される経過記録についても診察を受けながら見ることができます。検査が終わって診療科受付に患者さんが戻っても、紙カルテが返ってくるまでは診察が始められなかった状況は、電子カルテ開始によって改善されます。
ただ、医師は病棟で電子カルテの扱い方に慣れてきているとはいえ、電子カルテ端末を使っての記録は紙カルテの手書きに比べて時間がかかることが予測されます。外来診療で医師が電子カルテに慣れるまでの数ヶ月間は、患者さんにとってはこれまでより待ち時間が長くなりご迷惑をおかけする事になるかもしれませんが、ご協力の程宜しくお願い致します。

(文責 医療情報部 三宅 秀敏)
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