本院では平成19年5月より漢方外来を始めました。
現代医学すなわち「西洋医学」は患者さんの病気を診断して病名を決め、それに対して治療を行う医療です(病名治療)。これに対して、漢方薬を使用する「東洋医学」は、患者さんの心身全体を総合的に診て、バランスの崩れた体質を改善し、心身の調和を図る医療です(体質治療)。従って、漢方薬は同じ病名の患者さんでも、個人個人の体質(東洋医学的には“証”という)により使用するお薬は異なります。また、体質を改善することにより、治療の発端となった症状以外のいろいろな不快な症状が一緒にとれてしまうこともあります。
現代において、西洋医学と東洋医学は相対立するものではなく、それぞれの長所を生かし補い合う医学です。漢方薬が威力を発揮するのは、冷え症、難治性のアレルギー性疾患、慢性の疼痛、更年期障害、自律神経失調症などです。特に冷え症は現代病の一つともいえ、多くの女性が悩んでいますが、西洋医学ではなかなか治すことができません。また、冷えが原因でいろいろな病気が起こります。東洋医学には「未病を治す」という独特な考え方もあります。「未病」とは、まだ病気ではないが病気に向かっている状態をさします(病気予備群)。東洋医学では、この「未病」の時期からも治療が始まります。
漢方外来では、症状はあるが検査では異常が見つからない方、あるいは西洋医学的治療では十分な効果を得られない患者さんの生活の質(QOL)の向上をお手伝いします。東洋医学的な診察を行い、患者さんの体質(証)に合った漢方薬(健康保険が適用されます)を処方し、生活習慣の改善指導を行います。一人で悩まずに、どうぞお気軽に相談に来て下さい。
初 診 日 :毎月1回(第4木曜日午後)
完全予約制(再来日は他の曜日になります)
初診担当医:織部和宏医師(日本東洋医学会代議員・指導医・漢方専門医、織部内科クリニック院長)
予約連絡先:代表電話(097−549−4411):月〜金曜の午後2時から4時半に電話受付 |
(文責 検査部 中川 幹子)

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