[発行] 大分大学医学部附属病院広報誌発行委員会

人工関節学講座開設

 

 人工関節は本院開設以来、整形外科が特に力を入れてきた分野の一つですが更なる充実のため、平成20年4月1日、この分野に造詣の深い2名の医師(近藤誠准教授と糸川高史助教)が加わり、人工関節置換術を専門とする人工関節学講座が開設されました。人工関節置換術とは痛みの原因であるすり減った軟骨と傷んだ骨の表面を切除して、金属とポリエチレンでできた人工の関節に置き換える手術です(図1)。変形性関節症(年齢を重ねるにつれて軟骨がすり減り、骨まで傷んだ状態)や関節リウマチ等による関節痛が薬やリハビリでは良くならない方が対象になります。術後は変形も矯正され(図2)、旅行へ行くことも可能ですし、自動車や自転車にも乗れます。水泳やグランドゴルフなどの軽いスポーツも可能です。
  肩関節や肘関節にもおこなわれていますが、歩行時に体重のかかる関節(股関節、膝関節等)で多くおこなわれています。この数年、日本では高齢化社会到来に伴い人工関節置換術が増加しています。特に膝の人工関節置換術が毎年10%以上の伸びを示し、最も多くおこなわれるようになりました。より良い人工膝関節の開発と、より正確な手術手技を確立していくことによって、患者の皆様が天寿を全うされるまでご自身の脚で元気に歩けることと確信しています。
  全身的に問題のない患者さんでは、両膝を同じ日に手術することも可能になっています。両膝ともに痛みが強く、日常動作に支障のある方の中で希望に応じて両膝を一日で手術します。入院期間も片膝のみの方と大きな差はありませんので、ご希望の方はご相談ください。

図1

 

図2

 

(文責 整形外科 津村 弘)

 

 

最終更新日時: 大分大学医学・病院事務部管理課作成