インフルエンザが今年は夏季に流行していますが、今後、冬にかけさらに感染の拡大が懸念されています。通常と異なるインフルエンザの流行は、皆様ご存じの新型インフルエンザによるものです。新型インフルエンザは今年4月にメキシコでその流行が確認され、その後世界中に感染が拡大しました。これまでのところ新型の病原性は通常のインフルエンザと大きな差はないと考えられていますが、新しい型であるため免疫を持つ人がなく、感染性は強いことが明らかになってきました。感染性が強いとインフルエンザに罹患する患者数が増加し、実数としては重症化したり、死亡する患者数が多くなることが予想されます。
こうしたことから新型インフルエンザの流行をできる限り抑制する必要があります。インフルエンザウイルスは、くしゃみや咳などをした際に唾液などとともに飛沫として周囲に広がります。こうした飛沫を直接浴びたり、ウイルスを含む飛沫に触れ、その手で自分の鼻などに触れると感染する危険性がありますので、特に手洗いは予防として重要です。また流行期には、できるだけ人混みを避けることも重要ですが、最も大切なことは自身の健康管理です。咳やくしゃみなどがある場合は周囲に飛沫をまき散らさないために咳エチケットを行いましょう。発熱や関節痛などの症状が見られる前でも他の人へ感染させる可能性がありますので、インフルエンザと診断されていなくても咳エチケットを行うよう心がけて下さい。
病院には抵抗力の低下した患者さんが多く来院されます。こうした患者さんがインフルエンザに罹患すると重症化する可能性があり、病院では対策に万全を期しています。外来では、待合室などで他の患者さんにインフルエンザが広がるのを防ぐため、別の場所で診察させて頂きますので、発熱などの症状のある方は受付に申し出て下さい。また入院患者さんに感染が拡大することを防ぐため、インフルエンザ様症状のある方はお見舞いをご遠慮下さい。インフルエンザの蔓延防止には皆様のご理解とご協力が不可欠ですので、よろしくお願いいたします。
(文責 感染制御部 平松 和史、門田 淳一)

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