病院情報管理システム(愛称「ぶんご」)は、2005年1月に導入し、2010年1月に新しいシステムに更新予定です。現在多くの診療情報が電子化されコンピュータに保存されて、コンピュータの画面で患者さんの情報を見て仕事ができるようになっています。ただ、電子カルテの成熟度が十分でなかったために紙カルテも併用してきましたが、この5年間の技術的進歩もあって、今度導入する電子カルテシステムでは、紙カルテを併用しない運用を考えています。
今回の電子カルテ導入の主眼は、全面的な電子カルテ化を進め、診療行為を電子的に記録に残し、効率的な病院経営を支援する診療データの抽出・分析を可能とすることです。医療安全については、ベッドサイドで携帯端末やノートパソコンを使って、カルテや医師の指示を確認したり、患者さんのリストバンドを読み取って本人確認、薬剤・輸血の確認、オーダ確認の3点照合と実施入力を行います。
また、病院情報管理システムへのアクセスを正当な利用者のみに限定するために、これまでの指紋認証のみでなくICカード認証を追加し、バイオメトリクス(生体情報)+ICカードの2つの独立した要素を用いて行う方式(2要素認証)を採用することで、認証強度を維持することといたしました。病院情報管理システムへのアクセス記録を取り、不正に電子カルテが見られることのないように、これまで以上に厳重に管理を行います。
病院情報管理システムの更新にあわせて、病院内の運用の見直しも行っていきます。現在患者さんが再来受付機で受付をすると「本日のご案内」が印刷され、更に当日の新たな検査等がオーダされると、その都度「本日のご案内」が印刷されていますが、更新後は必要に応じて印刷するようになります。
また、再来受付機の画面が変わります。診療以外の放射線治療やリハビリなどの予約は、「放射線部」「リハビリ」など、部門のなまえが表示されていましたが、病院情報管理システムの更新後は、依頼した診療科の下に、「放射線・リハ」といった表示になります(下図:再来受付機画面サンプル参照)。他にこれまでと大きく運用が変わるものについては、事前にご案内します。
新しい病院情報管理システムの更新にあたり、システムが安定稼動するまではご迷惑をおかけしますが、ご理解とご協力をお願い致します。
(文責 医療情報部 三宅 秀敏)

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