心臓血管外科
心臓血管外科は平成7年に外科第2より、新たに診療科として独立しました。私達が治療しているのは、心臓では心雑音で発見される弁膜症、胸痛で発症する虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)、生まれながらに心臓に異常を持つ先天性心疾患、血管では動脈が膨らむ大動脈瘤や大動脈壁が裂けて非常に痛む大動脈解離、動脈が詰まって足が痛くなる閉塞性動脈硬化症などの患者さんです。ほとんどが生命にかかわる病気です。最近、太い静脈に血の塊ができて足が急に腫れて痛み、その塊が肺に流れ込んで詰まり急死の原因にもなる深部静脈血栓症など静脈疾患にも注目し、取り組んでいます。私達が扱う心血管系の疾患は生活習慣が欧米化するにつれ増えてくるものばかりです。
心臓外科の手術は人工心肺と呼ばれる文字どおり心臓と肺の肩代わりをする機械を使います。また、特殊な麻酔をかけなければなりませんし、術後は綿密な集中管理が必要です。ですから、心臓外科医だけで病気を治すのではなく、麻酔科医、臨床工学技士、看護婦(士)等の協力があって初めて手術が成功します。その点、大分医科大学医学部附属病院は関連スタッフの水準が高く、私達が安心して手術できる環境にあります。私達の仲間が大学の他に県内2ヶ所の病院で心臓外科手術を行うようになって、患者さんが少なくなるのでは?と思っていましたが、診断技術の向上、高齢者人口の増加で紹介患者さんは年々増え、むしろ他施設では治療の難しい重篤な患者さんの割合が高くなった分、気の抜けない日々が続いています。このような状態にさらに昼夜の別なく急患が飛び込んでくるものですから、教授を含め6名の医局員がフル活動で、心臓を止めて人工心肺を使用して行う手術だけでも年間160例ほどです、入院をお待ちいただいている患者さんにご迷惑をおかけしているのが現状です。ほんの20年前までは、心臓手術は命が助かってもうけものでした。それが、今ではほとんどの患者さんが手術後2日目には歩いています。一方、以前は助けることができなかった不幸にも重症化した患者さんも、当院では心臓移植こそ行っていないものの、人工心臓を用いて循環補助を行うなどして救命できるようになりました。まさに心臓外科は、近年最も進歩した科といえるのではないでしょうか。 皆さんには先ずは私達の顔をみる必要がないように、規則正しい健康的な生活をしていただくことが最も良いのですが、一旦病気にかかってしまったら過大な不安を抱かずに受診されてください。外来の待合室でにこやかに談笑しておられるのは、皆さん手術で一度は心臓を止められたあと正常の心臓機能を回復した患者さんばかりです。外来診療日は火曜、木曜です。
(文責 宮本 伸二)
タッチパネルで病院案内
外来ホールにある再来受付機に病院案内のタッチパネルを設置しました。受診のこと、入院のことなど病院に関するさまざまな案内を見ることができます。画面上で項目ボタンを選んでさわるとそれぞれの案内が表示されるしくみになっています。使用できる時間帯は午前11時5分から午後4時50分までです。どなたでも自由に利用できますので、興味のある方は気軽にご利用ください。
(文責 医療情報部 板倉 紀子)