成人病が”生活習慣病”という呼び名に変わってから約5年になり、すっかり耳慣れた言葉になりました。従来成人病と云われていた、糖尿病・高血圧・高脂血症・がんなどは必ずしも成人になってから起こるものではなく、子どもの頃からの生活習慣の積み重ねと、その人の持っている遺伝子的素因、さらに環境の要因が重なり合って起こってくる疾患です。これらの病気を予防するためにも、子どもの頃から健康を守るための生活習慣を身につけておくことが必要です。
最近では、医大の周辺でも大きなスーパーや24時間営業のコンビニ、レストランが出来て大変便利になりました。好きな時に好きなだけ苦労せずに食べられるため、大変”豊かな”時代であるとも言えます。反面、「朝何も食べない」「野菜を全く食べない」「いつも一人で食事をする」など食環境が”乏しい”人が増えているのも現状です。人が物を食べる時、ただ空腹を満たすだけではなく、多くの人は、おいしい、うれしい、楽しいなど感情が伴います。よりおいしく!より楽しく!より身体にやさしく!─”食べる”ことは身体だけでなく、心をも豊かにさせてくれます。未来を担う子どもたちの健康のためにも まず、私たち大人がもっと食事に関心を持たなければいけない時にきているのではないでしょうか。
新しい年を迎えました。食生活を見直してみませんか。気になる点を少しずつでも改善して、身体にやさしい食習慣を家族でめざしてみましょう。
《健康づくりのための簡単食生活ポイント》
(1)できるだけ多種類の食品を摂りましょう!★一日30食品を目標にしましょう。★毎回の食事で 主食(ご飯・パン・麺類)、主菜(魚・肉・卵・豆腐など)、副菜(野菜・海藻類)をそろえましょう。
(2)朝食をしっかり摂りましょう。★一日の活動の原動力になる朝食を摂らないと脳神経の働きが鈍くなり、気分をいらだたせ仕事の能率も低下します。また、朝食抜きは便秘になりやすいだけでなく、まとめ食いに結びつき、肥満の原因にもなります。★今まで朝食を摂る習慣がない人は、まずはバナナ・ヨーグルト・コーンフレーク&牛乳などからでもはじめてみましょう。
(3)うす味に心がけましょう。★塩分と摂り過ぎは、高血圧ばかりでなく動脈硬化も促進します。
(4)食べ過ぎに気をつけて、肥満を予防しましょう。★よくかんでゆっくり食べましょう。★腹八分を心がけましょう。
(5)できるだけ規則正しく食べましょう。★遅い夕食になりやすい方は特に量に気をつけて、消化の良い物、脂肪の少ない物にしましょう。
(6)インスタント食品・加工食品・塩辛い物・甘い物・スナック菓子・ジュース類・アルコールはほどほどにしましょう。
(文責 栄養管理室 利根 哲子)