設立趣意書
大分医科大学白菊会
  • 協賛
  • 大分県
  • 大分県市長会
  • 大分県町村会
  • 大分県社会福祉協議会

大分医科大学白菊会設立趣意書

私達はこの世に生まれて来て、だれしもが等しく、健康で長生きしたいと願うものでありますが、この願いを満たすためにも、より以上の医学の進歩・発展を期待したいものです。

医学の進歩・発展には医学の教育と研究が充分に行われることが必要であります。そのためには、先ず第一に、正常な人体の緻密な構造や複雑な機能について広く且つ、深い知識が要求されます。人体の構造と機能に関する知識を修得するには、人体を実際に解剖(正常解剖または系統解剖といいます)し、肉眼的のみならず顕微鏡的にも観察研究する以外に方法がありません。

実際の人体を解剖する正常解剖を行って、人体についての充分な知識を修得しない限り、生体の複雑な機能や、さらに一歩進んで病態を理解することは不可能であります。したがって、正常解剖が行われずには、医学の進歩・発展はおろか、それ以前の段階の医学教育を進めることすら不可能であると言っても過言ではありません。

このような理由から、医学教育・研究を進める上では、正常解剖は不可欠でありますが、そのためにはこれに深い理解を示して下さる方々、即ち天寿を全うされた後、医学の進歩のために、さらには後世の人々のために自らの体を提供していただく崇高な篤志者に、献体を期待しなければなりません。

しかしながら、人体解剖に対しては、本人は勿論その遺族も精神的な苦痛を感じられ、一般的に遺体の提供にためらいがあるため、必要数の遺体が得難い現状にあり、医学教育及び研究の将来に大きな影響を投げかけています。

このたび大分県には、私ども県民の多年の念願でありました大分医科大学が設置され、医学教育・研究のために、遺体の提供が要望されています。

私たちは、これまでの長い人生において、医学によって数々の恩恵を受けてきましたが、これも医学の進歩・発展をねがって、自らの体を献げられた多くの故人の崇高なご精神の賜物であることを忘れてはならないと思います。

私達も天寿を全うしたのち、献体し、医学の発展を促し、そのことによって、私たちのより多くの子孫が、さらに全世界の人々が病苦から救われ、健康で幸福な生活を過ごすことが出来れば、立派に人生の意義を果たしたと言うことができましょう。

以下の、趣旨から、『正常解剖のために自らの遺体を提供する』、『報酬を求めない』、『売名に走らない』という篤志者のみの集まりをつくり、遺体の確保を図り、医学の進歩・発展に寄与したいと考え、『大分医科大学白菊会』という献体者団体を組織しました。

何卒、私共の趣旨にご賛同を賜りますようお願い致します。


  • 白菊会のこころ
  • 一、正常解剖のため

    自らの遺体を大学に提供する

  • 一、報酬を求めない
  • 一、売名に走らない