大分大学医学部皮膚科学講座

ある皮膚科専攻医の1週間

 大分大学皮膚科に所属している皮膚科専攻医は大分大学病院か、関連の中核病院(大分県立病院、別府医療センター)での勤務になり、私は大学病院で勤務しています。大学病院の中では腫瘍グループに所属しており、主に皮膚悪性腫瘍の患者さんを担当しています。腫瘍グループは月、水曜日は腫瘍外来での業務、木、金曜日は手術室での手術があります。腫瘍外来では紹介患者の皮膚生検や、入院手術の計画、外来化学療法、小腫瘍の切除などを行っており、皮膚悪性腫瘍の治療の一連の流れを学べます。大学病院なので幅広い症例の紹介があり、入院症例では基底細胞癌の手術から悪性黒色腫の切除やリンパ節郭清術まで多くの経験を積むことができます。

 月曜日には全体カンファレンスがあり、写真カンファレンス、病棟カンファレンス、病理カンファレンスと大きく3部に別れています。写真カンファレンスでは前の週の紹介患者、アレルギー外来、腫瘍外来の症例写真を全て確認します。時間外や当直帯に一人で判断に困った症例などがあればここで相談することもできます。病棟カンファレンスでは、入院中の患者の検討を医局の全員でおこないます。治療に難渋している症例のアドバイスを頂けたり、未経験の分野の症例を学べたりもでき、若手でも活発に発言しています。病理カンファレンスでは病理標本を見ながら若手がプレゼンテーションを行います。最初は緊張しますが、慣れてくるとだんだんと病理組織が分かるようになってくるので自信がついてきます。

 火曜日には手術カンファレンスがあります。形成外科と合同のカンファレンスで、次の週の手術症例のプレゼンテーションを行います。また学会前には予演会を行うこともあります。

 外勤は県内、県外の病院で皮膚科外来業務や、当直業務を行います。大分県は皮膚科医が過剰ではないため、多くの需要があります。

 水、木曜日には教授外来での外来補助業務があります。県下で診断や治療に難渋している症例や、生物学的製剤の導入症例、教授の専門であるアトピー性皮膚炎の重症例など、多彩な症例の診断と治療の流れを学べます。またKOH法や凍結療法など外来業務での細かな手技を学ぶことができ、非常に勉強になります。

 以上のように、大分大学皮膚科では若手皮膚科医の専門医取得までの充実した教育体制が整っています。皮膚科に興味のある方はぜひ一度見学にお越しください。

ある皮膚科専攻医の1週間

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