[発行] 大分大学医学部附属病院広報誌発行委員会

患者満足度調査結果について

教授に就任して

 

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大分大学医学部地域医療・産婦人科分野担当
吉 松  淳

 

 平成21年1月1日付で大分大学医学部おおいた地域医療支援システム構築事業産婦人科分野担当教授に就任いたしました。昨今、注目されている小児科、産婦人科の医療崩壊を食い止めようと大分県と本学が協力して発足した事業です。すでに小児科分野では是松聖悟教授が活動を開始しています。また、産婦人科分野では中津市民病院で産婦人科の診療を常勤医師が再開させました。本学の産科婦人科からは奈須家栄准教授が手術協力を中心にサポートをし、県北の産婦人科の拠点の再建が始まっています。このように、すでにこの事業の基礎となる部分が開始している状況で私は着任いたしました。  産婦人科医療崩壊を食い止めるためには以下のことに取り組む必要があると思います。

 1. 人材の確保
 2. 限られた人的資源の有効活用
 3. 地域で活躍しようとする若い医師の教育

  まず、産婦人科医を確保する必要があります。これが最も重要ですが、最も困難なことです。そのためには幾つものやらなくてはならないことがあります。その中の大切なことに現在、現場に出て頑張っている産婦人科医がhappyであるということがあります。実際に働いている産婦人科医がへとへとで暗い顔をしていては誰も産婦人科医になろうとは思わないでしょう。しかし、現状では産婦人科医は疲弊し常に不安を抱えています。そこで、限られた人的資源を有機的に、さまざまな枠組みを取り払って適正に役割分担し、配置していくことで少しでも負担を減らしていくことを考えます。そして地方で頑張る若い医師も大学で頑張る若い医師と同じように教育の機会があるように私自身が飛び回ってみようと思います。

 私の専門は周産期医療です。中でも特に関与しているのは「母体の安全への取り組み」です。合併症妊娠や分娩時の新生児仮死など、母体・胎児や新生児の生命に関わる事態に備えて産科・小児科双方からの一貫した総合的な体制が必要です。小児科医、産婦人科医の不足により、まずこの部分から崩壊が始まっています。厚生労働省の「子ども家庭総合研究事業 乳幼児死亡と妊産婦死亡の分析と提言に関する研究」に研究協力者として、また、厚生労働省が設置を進めている「医療安全調査委員会」の第三次試案の作成班にも参加し、中央と大分を結びながら周産期医療の崩壊に立ち向かっていこうと思っています。何卒、よろしくお願いします。


 

最終更新日時: 大分大学医学・病院事務部管理課作成