研究室配属 Research Training

◆2021年の研究室配属


NEWS! 2021年5月6日 今年も研究室配属が始まりました。
今年は、2名の学生が本講座で研究に取り組みます。今年も、COVID-19の世界的流行により最初はリモートでした。リモートで研究できるんか?? 2人とも先行配属なので、もうラボには慣れているから大丈夫かな?感染防止を心がけて、今年も楽しくやりましょう!!
配属学生 氏名 研究テーマ コメント


 1841088 望月 晶子
● シトロバクター感染性腸炎を制御する分子免疫機構の解明
  指導教員:神山、小林
  腸管組織は、病原体に対する防御免疫と常在菌に対する免疫寛容が働く臓器で、免疫応答が厳密に制御されている。マウスに感染性腸炎を誘導する Citrobacter rodentium の排除には Th17 細胞が必須であるが、自然免疫のシグナル伝達分子の役割については不明な点が多い。そこで腸管組織の樹状細胞と腸管上皮細胞に着目し、各細胞におけるTLRシグナルを伝達するTRAF6の役割を明らかにする。そこで、TRAF6が樹状細胞で欠損するマウスと腸管上皮細胞で欠損するマウスに、C. rodentiumを感染させて腸炎の病態や細菌のコロニー数、免疫細胞の動態などを解析する。

技術:遺伝子解析(LAMP, RT-PCR、real time PCR)マウス感染モデル、細胞培養実験、ELISA法
【一言】感染予防医学講座の先生方にはお世話にな立派な理でいつも感謝しております。短い期間ですが、頑張りますのでご指導のほどよろしくお願いします。
【感想】6ヶ月ほどの短い期間でしたがスライドの作り方や英語論文の読み方、様々な実験手技を丁寧に説明していただき理論からしっかりと理解できました。苦手意識を持っていましたが、実際に実験をさせて頂き研究することの大変さや奥深さ、面白さに触れることが出来ました。ここで得た様々な知識や経験を今後研究に携わる機会があれば生かしていきたいと思います。感染予防医学講座に配属して良かったと心から思っています。本当にお世話になりました。

 1841107 皆田 美月
●疾患モデル動物を用いた潰瘍性大腸炎に関する研究
  指導教員:小坂、小林

 炎症性腸疾患(IBD)は免疫異常により発症すると考えられているがその詳細は不明である。IBDの発症機構の解明と新規治療法の開発を目指して、実験的腸炎モデルマウスを用いた漢方薬の効果とその分子機構の解明に取り組む。大建中湯の腸炎改善効果が知られているが、この作用機序にプロテアーゼインヒビターであるSLPIが関与するのかどうか明らかにする。そこで、SLPI欠損マウスに実験的腸炎を誘導し、大建中湯を投与して、その腸炎改善効果を検討する。また、その他の免疫応答に関与する遺伝子の改変マウスを用いて炎症性腸疾患の病態を解析する。
技術:遺伝子発現解析(RT-PCR、real time PCR)、マウス腸炎モデル、細胞培養実験、ELISA法、病理学的解析、免疫染色
【感想】 今回, 先行配属期間を含め約1年半感染予防医学講座にお世話になりました. データに反映したものに限らず, 先生方にはありとあらゆる実験手技を教えて頂き, 今後研究をしていく上で自分の視野を広げる非常に貴重な経験となりました.
私はこれまでマウスという生体を使った実験をほとんどしたことがなかったため, その点が一番苦労しました. 深夜や早朝に様子を見る必要があったり, プロトコール通りに処置を施しても上手くいかなかったり, マウスの体調の関係で実験ができなかったり等です. その度になぜ上手くいかなかったかを考察し, 条件検討を繰り返すという作業を経ることによって, 自ら考え次に生かすという研究をする上で大事なマインドを身に着けることができました.
また消化器内科の先生にご指導して頂いたおかげで, 基礎の研究室にいながら臨床にも触れ, 研究室での結果を実際の臨床に繋げるという一連の流れを経験することもできました. 将来は、この経験を活かし、基礎と臨床の現場の橋渡しができるような医師になりたいと考えています. 最後に, 研究室配属にあたりご指導賜った感染予防医学講座の皆さま, 消化器内科学講座のスタッフの皆様に心より感謝を申し上げます. 本当にありがとうございました.

 

2021.7.20 研究室配属発表会を行いました。今年も新型コロナウイルスの感染予防のため、発表はオンライン形式で行われました。二人とも審査員から高い評価をいただきました。