項目T  教育の実施体制


博士課程
 博士課程では,平成17年度までは,形態系,生理系,生化学系,環境生態系の4つの専攻にわけられ,定員も各々6,10,8,6名となっていたが,平成18,19年度は,病態制御医学,生体防御医学,分子機能制御医学,環境社会医学の4専攻に分けられ,定員も各々11,6,10,3名とされた。しかし平成20年度からは,従来の講座間の壁を取り払い,また名称も単純化し,定員30名の1医学専攻とし,「基礎研究領域」,「臨床研究領域」,及びがん関連科目で構成する「がん研究領域」の3研究領域を設置した。
平成19年度から博士課程の4専攻の各々の中に,がん医療人を育成するために新しく「がん専門医療人養成部門」が設置されていたが,「九州がんプロフェッショナル養成プラン」が平成19年度のGPに採択されたことから,それと連動する形で「がん研究領域」を,平成20年度から当研究科に設置した。
博士課程の教員組織は講師以上で構成されており,病態制御医学,生体防御医学,分子機能制御医学,環境社会医学専攻で各々26,21,27,9名,うち教授は各々14,11,16,7名である。

修士課程
 看護学専攻は平成10年度に,医科学専攻は平成15年度に設置された。医科学専攻,看護学専攻の入学定員は,それぞれ15名,16名である。
医科学専攻の担当教員は,教授27名,准教授6名,講師1名で,講義,演習,実習を担当している。看護学専攻は,教授10名と准教授4名が授業科目責任者および修士論文指導を担っている。看護学専攻部会を毎月開催し,教育課程,入試,就学支援等の課題を組織的に検討している。 

 博士課程及び修士課程各専攻の教員数は共に大学院設置基準を満たしており,暫く低迷していた入学定員に対する充足率は,平成19年度以降は向上した。修士課程医科学専攻は,「九州がんプロフェッショナル養成プラン」による「がん研究領域」の設置により,平成20年度入学者は14名で,今後医科学専攻の充足率の向上が期待できる。
 資料6-1-1 : 入学定員及び学生数
 資料6-1-2 : 大学院在籍者数

 留学生は,様々な国から受け入れており,中国からの留学生が最も多い状況である。
 資料6-1-3 : 外国人留学生国別在籍状況



 教育目的を達成するための,教育内容,教育方法の改善に向けた体制は,教育担当副学部長を委員長とした医学系研究科委員会小委員会(博士課程小委員会)を毎月開催し,そこで問題点改善策等を議論することとした。後述の如く,准教授も修学,研究指導教員に就くことを可能とし,博士課程においては大幅な授業科目の変更,シラバスの作成,修士課程においては,新たな授業科目の追加とシラバスの作成を行った。

博士課程
大学院の全学的なファカルティ・ディベロップメント(FD)は,2度行なわれ,1回目は北九州市立大学谷村秀彦教授による講演会を平成19年10月に行った。また,従来学位論文審査委員会のメンバーは教授のみによって構成されていたが,専門性の高い審査を行なうため,平成19年10月以降は副査の一人に准教授を研究の専門領域を考慮して指名した。

修士課程
医科学専攻では,博士課程の教授が医科学専攻を兼任するため,FDについては,上記の通りである。また,博士課程と同様に,論文審査委員会のメンバーについても以前は教授のみによって構成されていたが,専門性の高い審査を行なうため,平成19年度以降は副査の一人に准教授を研究の専門領域を考慮して指名した。
看護学専攻では,平成16年度より「カリキュラムの改正」「教育評価のシステム化」を教育上の課題として検討を重ねてきた。カリキュラム改正にあたっては,大分県内の看護職に対するニーズ調査を行い,その結果をふまえ高度専門職業人育成に焦点をあてた2つのコース(看護実践/看護管理・教育)と授業科目を創設した。平成19年度から新教育課程を適用している。教育評価のシステム化については,教員による授業評価と学生対象の学習評価調査結果をAnnual Report of Education Activitiesにまとめ,教育改善の資料としている。さらに平成18年度から看護学科FD部会の調整のもと推進することとし,平成19年度はe-learning,がん専門看護師養成等研修会を3回開催した。
資料6-2-1:大学院進学に対する看護職のニーズ分析(報告)
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 博士課程では,制度上,専攻の一本化,准教授の学位審査への参加など,大学院博士課程の実質化に向けて,大きな改革を行なったため。また平成19年度からがん専門医の養成コースを研究科に設けたことにより,研究者の養成,大学教員の養成に加えて高度専門職業人養成という新たな機能も担うこととなり,それによって患者さんや周囲の医療スタッフが能力の高い医師を求める期待に応えている。
 修士課程では,看護学専攻では,高度専門職業人養成を目的としたカリキュラム改正を果たし,さらに教育改善と教員の教育力向上に向けた教育評価システムの構築およびFD活動の推進を図っている。



  


  医学系研究科の教育目的と特徴

  現状の点検

    項目T 教育の実施体制
  1.基本的組織の編成
  2. 教育内容、教育方法の改善に向けて取り組む体制
  3. 現状の評価
  項目U 教育内容
  項目V 教育方法
  項目W 学業の成果
  項目X 進路・就職の状況
  項目Y 質の向上があった取組