大分大学医学部

准教授(診療教授)

友 雅司

TOMO Tadashi


腎不全症例における酸化ストレス、尿毒症性溶質・除去標的溶質に関する基礎研究と血液透析、血液透析濾過、腹膜透析等の血液浄化療法の研究および次世代の人工腎臓・血液浄化療法の研究開発を行っています。

研究内容

血液浄化療法の生体適合性に関しては、

に関して好中球、血漿を用いての酸化ストレス指標の評価系を構築して研究を行い、論文発表、学会発表(国内、国際)を数多く行ってきました。

著書; 51編

学術論文原著:
英語 48編 内 ファーストオーサー 16編
症例報告:
英語 2編
学術論文review:
英語 9編 内 ファーストオーサー 9編(Equal contribution)
診療ガイドライン:
13編
学会報告:
3編
総  説:
73編  内 ファーストオーサー 68編
学会発表:
全国学会シンポジウム等及び依頼招請講演、国際学会依頼招請講演、国際学会発表等 143回 内 筆頭演者 128回

現在、血液浄化療法過程に発生する酸化ストレスに対する抗酸化機能血液浄化器の評価系の構築を模索しております。

腹膜透析では腹膜の劣化に関しては、

  • 腹膜肥厚抑制(腹膜の劣化を予防する)添加物質の研究も行ってきました。
  • (日本、欧米、中国での国際特許取得)

尿毒症性溶質、除去標的物質の研究に関しては、

  • 従来の血液浄化モダリティでは除去不可能また除去効率が極めて悪い“カスケード型尿毒症性溶質”の除去を可能とする新規血液浄化モダリティを考案し(国際特許取得)、その実用化に向けての基礎研究を進めています。
  • これらの次世代の人工臓器(代謝系)の研究・開発のみならず、腎不全における中分子量尿毒症・除去標的溶質の存在様式と機能、そしてその除去の意義づけに関しての基礎研究も行っています。

人工臓器学において重要な点は、

  • 生体の機能を如何に工学的に理解・咀嚼するとともに、
  • 工学的な技術をどのように生体機能代行に応用するかの発想力を養成すること、
  • その応用に際しての限界点・問題点を探求し、認知し、
  • その限界点を突破・問題点を克服するための方法論を構築する

ために地道な努力を継続することにあります。

多くの先達の研究者の努力により、人工臓器(代謝系)は画期的な成熟を遂げてきました。「地道な努力」と「試行錯誤の繰り返し」が必要な領域であり、その成果達成(実用化され、標準的な治療法となる)には数十年を要することもあります。決して容易に結果が得られる道ではなく、多くの困難が伴いますが、やりがいのある領域でもあります。