
先進医療科学科
-greeting-
挨 拶

穴井 博文ANAI Hirofumi
近年、医学・生命科学分野の再生医療やゲノム技術、医療系理工学分野のAI、ロボティクス、IoT、データサイエンスなどが急激に進歩し、それに伴って革新的な医療材料や検査・治療方法、高度医療機器の開発研究の分野も拡大しています。このような急速な医療の発展に対応できる知識と技術を持つ優れた人材が求められています。一方で医療現場では、タスクシフト、タスクシェア、臨床検査技師や臨床工学技士の業務拡大が進められ、チーム医療の概念が浸透し、医療従事者には基礎医学から専門職分野までの広範な知識と技術、さらに開発研究力が要求される時代となりました。
このような医療社会の変化とニーズに対応できる、広い分野の知識と技術を備え、多領域を橋渡しできる医学・医療研究者を育てるために、大分大学では令和5年4月に医学部の中に先進医療科学科を新設しました。
教育やカリキュラムではでは、医学部の中に設置したメリットを最大限に活かしていきます。入学後まもなく早期体験実習があります。将来活躍の場となる臨床現場での研修を行い、早い段階から医療従事者となる自覚と将来像を描いてもらい、モチベーションを高めます。多くの医学科の教員が講義に参加し、医学科と同等の基礎医学、臨床医学を学ぶことができ、さらに専任の教官からは、医学科では学ぶことができない、専門領域の科目を学ぶことができます。2年次の後半から研究室の配属があり、リサーチマインドを育成していきます。医学科の研究室も配属の対象です。研究においても常に臨床現場と密接した研究活動を行うことができます。学年が進むにしたがって、自らの将来像、キャリアを目指して専門分野科目・実習、研究を選択し、将来の活躍の場を自身で開拓していくことができます。
生命健康科学コースでは臨床検査技師の、臨床医工学コースでは臨床工学技士の受験資格を得ることができます。臨床現場で活躍することも一つの進路ですが、卒業後はまず大学院進学を念頭におき、専門領域の研究活動を継続してエキスパートとしてのキャリア形成を目指してもらいます。その後、大学の研究室、製薬会社や、医療機器製造企業の研究室などで研究活動を続けることも可能です。現在大学院を令和9年4月に開設する計画で準備を進めています。
いずれのコースの卒業生も医療界に求められる新たなニーズに対応できる研究者のリーダーとして活躍することを期待しています。