大分大学医学部

講師

内田 智久

UCHIDA Tomohisa


ピロリ菌の疫学研究、がん研究

病理学は病気の成り立ちに迫る研究領域です。従ってすべての病気が研究対象に含まれ、顕微鏡を使った形態観察、遺伝子解析など様々なツールを使って病気を解明していきます。ピロリ菌は胃の中に棲む細菌ですが、ピロリ菌に感染すると日本人は胃がんになるのですが、タイ人は胃がんになりません。なぜでしょう?食べ物、気候、人種の違い、、、原因はいくつも考えられますが、ピロリ菌の違いが大きな原因だったのです!実際にタイに赴き多くの検体を採取して、日本とタイの病理標本を観察して、胃がんのなりやすさがピロリ菌の遺伝子の違いと関係があることを明らかにしました。胃がんにつながる、胃炎・胃潰瘍なども顕微鏡で詳細に観察すると日本とタイとでは違っていることも分かってきました。同じ病気でも国によって違いがあることも研究の面白さでもあります。顕微鏡を使って、実際に病気を見られるという点も病理学研究の特徴です。

共同研究として、胃がんや膵がん、腎臓がんなどの解析も進めており、分子レベルでの発がんメカニズムの解明や治療につながるモデルの開発に取り組んでいます。