病院長に就任して
大分大学医学部附属病院
病院長 中 野 重 行

皆様に長年親しまれてきた大分医科大学医学部附属病院は、10月1日の日付をもって大分大学と統合し、大分大学医学部附属病院になりました。これに伴い、新病院長が選出され、茂木五郎前病院長の後を継いで、私が病院長を勤めさせていただくことになりました。この紙面をお借りして、一言ご挨拶を申し上げます。
茂木五郎前病院長をはじめ、過去勤務したか、または現在勤務している多くの職員の絶え間ない努力により、本院は種々の評価指標で見て、全国でもトップクラスにランクされています。また、昨今の厳しい医療を取り巻く環境の中で、この数年間、本院の改善・改革は着実に進んでおります。医療事故防止のために安全管理体制を確立するための医療安全管理部をはじめとして、平成16年度からの医師の卒後臨床研修必修化に向けて、卒後臨床研修センターを設置しました。更に、医療情報部、総合診療部、臨床薬理センター、リハビリテーション部、地域医療連携センターの設置等、本院の整備は着々と進められてきました。
新体制では新しく副院長制度を設け、本院に期待されている多岐にわたる役割を果たしていくために、3名の副院長を配置し、それぞれの領域を担当していただく予定です。本院の職員一同が力を結集して、さらなる改善・改革を進め、医療内容の充実に努めたいと思います。また、大分大学との統合を機会に、統合による利点を活かして、従来より幅の広い医療活動を展開していければと念願しております。
改めて言うまでもないことですが、医療は患者さんのためにあります。本院もそのために、地域における質の高い医療の中核的役割を担うのみでなく、医学生・研修医・コメディカルスタッフの医療教育、これらを支える臨床研究の推進が求められています。これらの多岐にわたる役割を果たしつつ、常によりよき医療を求めていくためには、私共医療者だけの努力では不可能な時代がきております。そのために、この豊の国の地に住む多くの方々と力を合わせて、「豊の国
医療ルネッサンス プロジェクト」を立ち上げたいと考えております。このプロジェクトの3本柱は、@ 質の高い安心できる診療 A 良い医療者を育てる医学・医療教育 B
信頼できるエビデンスと高度先進医療を作り上げる臨床研究です。皆様方のご理解とご協力をいただいて、このプロジェクトの中身をこれから充実していきたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
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