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病院長に就任して
病院長 古 林 秀 則
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この度4月1日付けで、中野重行前病院長の後任として、病院長を勤めさせていただくことになりました。この紙面をお借りして、一言ご挨拶を申し上げます。
平成16年度からの国立大学法人化に伴い、本院も民間的手法による管理・運営を行っていますが、「患者本位の最良の医療」の基本理念を踏まえた改善・改革は着実に進んでおります。平成17年1月から診療体制を一新し、患者さんからみてわかりやすく、かつ、最も適切な治療を受けられる臓器別診療方式を採用しておりますが、今後もこのシステムは継続し、高水準の医療技術とサービスを提供していきたいと考えています。また、患者さんからの要望が多かった車椅子専用駐車場の設置や外来駐車場からの歩道の整備を実施しました。さらには、近々救急部を改装し、救急患者さんの診療環境の改善を図る予定です。これからも患者さんのご要望や地域医療機関のご意見を病院運営等に反映させていきたいと思います。
本年3月より新規入院患者さんの診療記録を電子カルテで行うように致しました。状況をみながら外来診療にも電子カルテを導入する予定です。電子カルテにしたことで、これまでの紙カルテと違って、患者さんの診療に当たっている医師、看護師、薬剤師、栄養士等がいつでも、どこでも、カルテ端末から診療記録を書いたり参照したりすることができます。本院にはチーム医療を必要とする患者さんがたくさん入院しておられますが、チーム医療にとっては情報をお互いに共有することが重要であります。電子カルテを上手に活用してチーム医療を更に充実させていきたいと考えています。また、将来的に患者さんが国内外で病気や事故に遭われた場合でも最寄りの病院で安心して治療が受けられるように、希望する患者さんには自分の電子カルテ情報を参照できるサービスを検討していきたいと考えております。この電子カルテは情報を瞬時に取り出して閲覧することができますが、「かけはし」22号(平成17年7月発行)で記しましたように患者さんのプライバシー保護、電子カルテの情報管理、セキュリティ対策に日々努力しております。
本院は地域の中核的医療機関であることはもとより、特定機能病院として高度先進医療開発の使命を担っているとともに、優れた医療者を育てる教育機関でもあります。平成16年度から卒後臨床研修必修化が始まっていますが、4月からは、歯科医師の卒後臨床研修も必修化されます。本院では、卒後臨床研修センターを組織し運営等を行っていますが、この度、新たにセンターの建物も完成しましたので、さらなる運営体制の充実を図っていきたいと考えています。
4月から医療の価格である診療報酬が過去最大幅の3.16%下がりました。社会の高齢化が進み、今後の医療費の増大は避けられず、医療を取り巻く環境は益々厳しさを増しておりますが、これからも、職員一同、地域の皆様に信頼される病院として、高度先進医療の開発や医療事故の防止に努め、医療の質の向上を目指していきたいと思っていますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
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