私共の内科第3には呼吸器・神経・消化器の3部門があり、密に協力しながら診療・教育・研究に従事しています。在局員は津田冨康教授をはじめ教官10名、医員8名、研究生3名、大学院生5名で構成されています(平成12年8月現在)。診療面では、呼吸器・神経・消化器部門のそれぞれが外来および入院患者を受け持っており、機能的に連携しながら診断から治療へと医療が進んで行きます。研究面では、免疫病理学および分子生物学の研究を中心に生化学的、生理学的また形態学的という多方面からのアプローチを課題として取り組んでいます。
呼吸器部門では、肺腫瘍、間質性肺炎、サルコイドーシスを中心に、気管支喘息や呼吸器感染症、アレルギー性肺疾患など幅広い疾患を対象として医療を行っています。気管支鏡や経気管支的肺生検を中心とした検査数も多く、免疫研究とも連携しています。気管支喘息については、患者さんとの関係を重視した喘息教室の主催、また、近年増加傾向にある睡眠時無呼吸症候群に対しては、先端医療機器を用いた診断および治療が多く行われています。
神経部門では、筋ジストロフィー、多発性筋炎、重症筋無力症などの筋疾患、筋委縮性側索硬化症、パーキンソン病、脊髄小脳変性症などの変性疾患、ギランバレー症候群などの末梢神経障害、脳・髄膜炎などの感染症を中心に専門医療が行われています。神経部門では複雑な症候を呈する疾患が多くありますが、当科ではそのような難病についても、遺伝子診断をはじめとする分子生物学的研究と連携した医療を行っています。また、患者さんのQOL(生活の質)を重視した神経難病のケアーや、眼瞼けいれんに対するボツリヌス毒素を用いた先端治療にも重点をおいています。
消化器部門では、肝臓と消化管 (食道・胃・十二指腸・大腸) 疾患を中心に医療を行っています。肝臓疾患では、特に肝硬変症の患者さんが近年増えてきています。肝機能をより正確に把握するための肝予備能検査や様々な合併症に対する治療に重点がおかれ、肝線維化に関する免疫病理の研究と連携した診断・治療を目指した医療を行っています。消化管疾患では早期癌や前癌状態の病変の内視鏡的切除術、消化管出血に対する内視鏡的止血術、食道静脈瘤の内視鏡的治療の症例が多くなっています。
大学病院に勤務する医師として市中病院ではできない新しい検査法やより良い治療法を推進すること、それ以上に一人一人の患者さんを大切にするという人間性を重視した医療を行うことを目標にして、医局員全員が努力しております。私共内科第3に何かご相談がございましたらどうぞお気軽におよせください。 (文責 香川 浩一)