─画像診断の流れ─
放射線部ではCT・MRI など種々の画像診断が行われています。今回は患者さんが画像検査を受けられる場合にどのようなプロセスで検査が行われているのかをご紹介します。
患者さんはそれぞれの症状や疾患に合わせて各診療科を受診します。そこでは各科の専門の医師が診察をし診断をしますが、その際画像による検査が必要であると判断されたとしましょう。まず、各科の医師は適切な検査を選択し検査依頼用紙に必要事項を記載して放射線部に申し込みをします。ここで記載される必要事項とは、この患者さんがどういう疾患であるかあるいは疑われるのか、どのような症状があるのか、血液検査など他の検査ではどのような結果が出ているのか、何を知りたくてこの検査を行うのかなどです。放射線部に検査依頼用紙がとどきますと検査の日時が予約され患者さんはその時間に放射線部の中の各検査室を訪れることになります。
実際の検査はどのように行われるかというと、まず画像診断の専門医(放射線科専門医)が依頼用紙の内容とカルテを見て、その患者さんに最適、必要十分な検査計画を立て検査を行います。本院には最先端をいく高度な画像診断機器が装備されていますが、それらを自在に操る高度に熟練した診療放射線技師と協力して検査が進められます。検査が終わるとそうして得られた画像を最も診断に適した条件でフィルムにし、出来上がったフィルムは放射線部内の読影室に集められます。読影室では検査を担当した医師が画像を読影し診断します。なかには診断の難しいものもありそのような場合には担当医師だけではなくその分野の画像診断のエキスパートを中心に協議しながら診断していきます。そして診断の結果はレポートにされフィルムと共に検査を依頼した各科の医師のもとに届けられます。診断レポートには単にその検査の診断結果だけではなく場合によっては今後の検査スケジュールや治療指針まで記載されることもあります。
本院ではこのように大部分の画像診断が画像診断の専門医によって行われています。このシステムは医療先進国であるアメリカでは常識となっていますが、残念ながら日本ではそれほど普及していません。数ある全国の大学病院でも数えるほどです。本院では進んだ画像診断が行われていると言えます。どうぞ安心して検査を受けてください。
また、検査について不明な点がありましたら検査担当医に何なりと気軽にご相談下さい。 (文責 畑 博之)