Q:「病院ではたくさん電気を使っていますが、停電したらどうなるのですか?」
A:●本学には2台の発電機が設置され停電が発生すれば自動的に起動し、病院を最優先に発電機からの電力(500kw×2台)が30秒程度で供給されます。停電を検出してから発電機が起動し病院へ送電するまでの一連の電力機器の動作はコンピュータ制御によって行われます。手術部、ICU、分娩部、病棟の未熟児室、一部の重症病室には瞬間でも停電すれば人命に関わる医療機器(人工呼吸器・人工心肺装置・無影灯等)が使用されていますので停電のない無停電電源装置(UPS)により電力を供給しています。これは発電機が起動し電力が供給される間の比較的短い時間を無停電で補うための装置です。この他、夜間の停電時に発電機の電力が供給されるまでの間、真暗にならないように非常照明を廊下、一部の部屋に点灯させるため非常照明用バッテリー設備があります。
本学は、特別高圧で受電していますので比較的停電も少ないですが、予備線、自家用発電機、無停電電源装置等の2重、3重の設備で停電に対応しています。
特高変電所
特別高圧で受電し、高圧に変換した後、受配電盤室に電力は送られます。 さらに11箇所の電気室で100〜400Vの低圧にして各部署に供給されています。
自家用発電機
750kVAが2台設置されています。 停電時には並列運転されます。1台あたりの実負荷は安全性を見て500kWまでとしています。
中央監視制御室
Y2K問題もありましたように常にコンピュータやその他の制御装置が正常に動作する保証はありません。常時人によって監視し、異常時に備えています。
●発電機は2台ありますが1台ずつ起動しますので初期には約500kwの供給能力しかなく2台目が起動し並列運転が完了すれば当初の能力1000kWになります。この過渡期には比較的電力を必要とするエレベータは停止する処置を行っています。また、すべての中央方式の空調設備は一旦停止します。このように発電機にかかる負荷が重なりますと発電機の能力不足により停止してしまい重大事故を招く恐れがありますので停電時の電気の使用は極力控えて頂きますようご協力をお願いします。
●九州電力との契約電力は現在3800kwです。夏場には契約電力をオーバーするため自家発電機1台を九州電力の系統と連係運転し約500kwの電力がピークカットされます。しかしながら、負荷設備は年々増大しており、今年の7月21日には500kwのピークカット電力以外に4278kwの電力消費を記録しています。このような時に停電した場合、自家発電機の安定した供給能力は約1000kwですから人命にかかわるような最重要箇所に電力を供給することはできますが平常時と同じように一般病室等の空調機能を満たすことはできません。平常時の1/5の供給能力になるからです。
●雷・台風・地震・波及事故(他の需要家での事故)等による電力の供給停止はいつ起きても不思議ではありません。大学附属病院として有数の設備を持ち停電時には人命優先の処置を行いますが限りある設備であることを十分にご理解いただけるようお願いします。
最後に
今後さらに管理運営上、採算性、ランニングコスト等を視点においた大学運営が必然的に求められると思います。私たち設備部門でも設備の維持・管理・運営に対し怠ることなく、予防保全を十分に考慮し、一層の省エネルギー推進を行って行く必要があると思われます。活動は職員全体が総力をあげて知恵を出し、その活動も継続していかねばよい結果はでません。皆でムダ、ムリ、ムラのない組織活動をしていこうではありませんか。
(文責 電気係 今泉・日高)