第6号目次
臓器・病態別外来受付について
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臓器・病態別外来受付について

臓器別診療導入検討会 委員長 内田雄三

 このたび、大分医科大学附属病院においては、内科および外科の外来受付を、従来の内科第1、内科第2、内科第3、外科第1、外科第2という呼称から臓器別あるいは病態別の呼称に変更することになりました。これは総合診療部の設置にともない、従来の専門外来がより高度の専門性を発揮できるようシステムを改革したものです。すなわち、内科、外科という”治療方法”による、縦割りの区分ではなく、疾患に罹った臓器あるいは疾患の病態によって区分しようとするもので、「外来はわかりやすく、病棟は治療・看護しやすく」の考えに基づくものです(表参照)。

人間の体は最終的には”細胞”という生物学的単位から構成されていますが、これは単に細胞が集団をなして人体を形成しているというのではなく、いくつかの目的にかなった細胞集合体が”組織”を形成し、さらにその組織が集まっていくつかの生理学的目的を達成する”器官”を形成します。この器官が最少必要限度集まって”個体”を形成します。しかし、これらの器官は、それぞれが独自に勝手に活動しているのではありません。多くの場合、器官は神経、ホルモン、その他種々の物質によって情報を交換し、お互いに関わり合って活動しています。これを”臓器相関”といいます。したがって病気もある一つの臓器だけが悪いということは少なく、むしろ複数の臓器の相互関係に異常を来たしている場合が多いといえます。

それでは、臓器・病態別外来受付の利点は何かと申しますと、患者さんご自身が「○○○が悪いような気がする」と思われたときに、最初どの窓口に行けば良いのかが比較的無駄なく見当がつけられるということです。その上で、実際に診察を受けて、実際には別の臓器の病気だった場合には、それに適した専門の窓口に紹介されるという横のつながりが機能することになります。医師あての紹介状をお持ちの方は、先ずその医師の診察を受けた後、最も適切な専門外来で受診することになりますし、また従来の内科第○、外科第○あての紹介状をお持ちの方も、受付でそれを出していただければ、所定の医師の診察が受けられますので、ご心配なくご来院下さい。

初めての方で、紹介状がなく、どの窓口に行ったらよいかわからない場合には、総合診療部で相談されることをお奨めします。総合診療部では種々の疾患の初期診療、より高度の専門医の治療を必要としない比較的日常的な疾患や、心理・社会的要因に基づく疾患、臨床予防医学的アプローチを必要とする慢性疾患、在宅あるいは通院治療のみで対応できる疾患などをとりあつかいますが、必要に応じて適切な専門外来への紹介もいたします。

臓器・病態別診療においては、医師が手分けをしてそれぞれが特色ある専門性を発揮し、より高度の医療を提供出来ることが特色であります。このシステムによって、受診される患者さんがより便利に、安心して外来診療をご利用いただけるよう念願しています。