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医学生物学講座について

あいさつ

松浦 恵子(医学生物学講座 教授 )

医学生物学講座(当時は生物学講座)の教授として、平成27年(2015年)5月に着任しました。大分医科大学を卒業し大学院に入学してから約20年以上は病理学の研究と教育に従事していましたが、「医学生物学」(私が名付け親)という新しい分野に挑戦することにしました。これは、医学の視点から生物学を学び研究するものです。生物学の専門家ではありませんが、医師としてまた基礎研究者として、他にはない講座にしたいと思っています。

教育面では、「医学のための生物学」と、「人間生命医科学」(これも私が名付け親)を開講し、医学部1年生のときから医学に触れ、臨床や基礎の教授等から直々に人間の医学に関わる生命科学を教えていただけるようにしました。ご理解とご協力くださる多くの講師の先生方(現在は23名)に感謝いたします。先生方のエールが学生さん達に届いているものと思います。

研究面では、5つの柱で研究を進めています。1つめは、ガンの悪性化に関わる遺伝子・パスウェイの研究です。特に腎ガンの悪性化に関わるゲノムの研究をノックアウトマウスを使って、泌尿器外科学講座、分子生物学講座のご協力のもと行っています。また、線虫を使ったパスウェイ研究も新たに始めました。2つめは、線虫の嗅覚を利用したガンの診断です。これは消化器・小児外科学講座のご協力をいただき、患者さんのサンプルを使わせていただいています。また企業との共同研究にも、同じ線虫の嗅覚を利用したシステムを研究中です。3つめは、植物ホルモンを利用した新しいタンパク質分解システムの開発です。4つめは、企業との共同研究で新たに開始したアルコール代謝に関する臨床研究です。これは臨床薬理学講座、医療倫理学講座、臨床薬理学研究センターのご協力のもと、行うことになりました。5つめは、長谷川名誉教授が中心となって行っている研究です。

基礎医学研究は出口が見えない地道な分野ですが、これからも研究に対する情熱と喜びと大切さを、少しでも次世代の方に伝え、医学・医療に貢献できるように努力していく所存です。

最後に、ダイバーシティ推進についてです。思いがけず平成22年(2010年)から大分大学全体の女性研究者支援⇒男女共同参画⇒ダイバーシティ推進担当を任せられるようになりました。平成26年(2014年)からは女性医療人支援も担当しています。これらの仕事と、教育・研究との両立(三立?)は決してたやすいことではありませんが、ダイバーシティに関わる多くのスタッフの方々や教職員の方々が助けてくださっています。誰かが推進しなくてはいけないことです。次の方につなげられるよう少しずつ歩んでいこうと思います。

松浦 恵子

医学生物学講座 教授

池田 八果穂

医学生物学講座 講師
更新 2019年4月2日
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