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乳腺疾患について

乳癌とは?

 

1) 女性の罹患率1位の病気です。
日本では乳癌にかかる人が増えており、年間5万人以上(56289人 2007年 厚生労働省)が新たに乳癌にかかっています。特に好発年齢である40歳代~60歳代の方は注意が必要です。

 

2) 乳癌は乳癌検診、自己検診で見つけることが可能です。
乳癌はその名の通り乳房に出来る悪性疾患(癌)です。乳房は胃や肺などの内臓と異なり体の表面にありますので、自分でしこりに気付いて乳癌が発見されることが多い、と言う特徴を持っています。月に一度の自己検診は、お金も手間もかからずに乳癌を早期発見できる優れた方法です。毎月の自己検診と毎年の乳癌検診で、乳癌の早期発見することが乳癌の治療においてもっとも大切です。

 

3) 治療は手術、薬物療法、放射線療法を組み合わせて行ないます。
乳癌の治療は、悪いところを取り除く手術が基本となります。取った病変を顕微鏡で詳しく調べ(病理検査と言います)、どういった治療が必要な病気かを確認した上で追加の治療を行なっていきます。病気の進み具合や病気の種類によって必要な治療は異なり、ホルモン療法、化学療法(抗がん剤)、分子標的治療などの薬剤を主体とした治療を実施してゆきます。治療を受ける前には様々な疑問や不安が出てくることだと思います。医療スタッフはそういった疑問や不安を解消するためにいますので、心配がありましたらいつでもご相談ください。

 

4) 大分大学の取り組み

  • 乳房の手術について
    乳癌の手術には、乳房をすべて切り取る乳房全切除と、乳房温存療法があります。乳房温存療法とは癌を回りの組織ごと切り取りますが、乳房自体は残しましょうという治療です。この治療を行うには腫瘍が小さい、などのいくつかの条件が必要なため、希望される方すべてに行うことはできません。手術の前にしっかりと検査して、可能かどうかを判断しています。
    従来行われている乳房切除で胸をなくす悲しみを少しでも軽くするため、形成外科と連携して乳房再建についても行っています。手術の説明をする際に再建の希望について確認をしていますので、ご希望のある方は遠慮なくご相談下さい。
  • 腋窩郭清とセンチネルリンパ節生検について
    乳癌の治療では、腋窩リンパ節の転移を確認することがとても大切です。リンパ節転移の有無により、その後の治療法が大きく異なるからです。これまでは腋窩のリンパ節を全て取る、腋窩郭清がすべての乳癌患者さんに行われていました。腋窩郭清を受けると腕のむくみ(リンパ浮腫)やしびれなど、合併症の問題がありました。リンパ節転移の有無を調べる新しい方法として考え出されたのがセンチネルリンパ節生検です。センチネルリンパ節生検とは転移の可能性が最も高いリンパ節を手術の時に調べ、転移を認めなければ腋窩郭清を行わなくても治療効果は腋窩郭清に劣らない、優れた検査です。センチネルリンパ節生検と腋窩郭清を比較する研究で、センチネルリンパ節生検の安全性や再発の危険性が腋窩郭清と同等に低いことが分かっています。