医薬品情報管理室

製剤室では、無菌室、ハザードルームにクリーンルーム、クリーンベンチや安全キャビネットなどを備えており、院内製剤の調製や高カロリー輸液及び抗がん剤の無菌調製を行っています。

医薬品情報管理室の主な業務

  1. 医薬品情報の収集・整理・保管・周知
  2. 医薬品に関する質疑応答
  3. 医薬品ニュースの作成
  4. 医薬品に関連した各種マスタのメンテナンス
  5. 医薬品による副作用情報の収集
  6. 院内医薬品集の作成
  7. 院内通知文書の作成
  8. その他

医薬品情報管理室では、患者さんに医薬品を有効にかつ安全に使用して頂くため、医師、薬剤師、看護師、その他の医療従事者の質問に対し的確な答え(情報)を提供すること、また重要な医薬品に関する情報を病院内へ伝達しています。医薬品情報管理室における主な業務を紹介致します。

1.医薬品情報の収集・整理・保管・周知

医薬品情報管理室で収集する情報は、医薬品の一般的事項と安全性に関する事項(下表)に分類されます。これらは常に最新、正確かつニーズにあった情報でなければなりません。収集した情報は、適切に分類した後、整理・保管し、医薬品情報管理担当者以外の人でも利用でき、必要時にすばやく検索できるよう管理しています。

【一般的事項】
  • 院内採用の有無
  • 同効薬の有無
  • 組成・成分
  • 性状・構造式
  • 用法・用量
  • 薬効・薬理
  • 体内動態
  • 貯法・使用期限
  • 配合変化
  • 混注可否
  • 安定性
  • 処方・調製法
  • 滅菌・消毒関連
  • 治験薬
  • 国内非未販売品
  • メーカー連絡先
【安全性に関する事項】
  • 副作用
  • 相互作用
  • 安全性(妊産婦・小児・高齢者など)
  • 中毒・救急法

2.医薬品に関する質疑応答

医薬品情報管理室には、医師、看護師等の医療従事者や患者さんから、医薬品に関する質問や調査の依頼が寄せられます。これを受けて医薬品情報管理室では、医薬品に関する様々な資料をもとに、職種やニーズに応じて質疑応答を行っています。また、質問と回答内容をMicrosoft® Accessを利用したデータベースに保存しています。

3.医薬品ニュースの作成

毎月、医薬品に関するニュース(DIニュース)を発行しています。掲載内容は、医薬品・医療用具等安全性情報の概要、添付文書の改訂内容、市販直後調査医薬品、インシデント事例からの注意喚起、医療安全情報、医薬品に関するQ&A 、医薬品に関連する最近の話題等です。またDIニュースは、薬剤部ホームページ上で公開し、常時閲覧が可能です。

4.医薬品に関連した各種マスタのメンテナンス

当院では、病院情報システムが稼動しており、その稼動には医薬品に関連した様々なマスタが存在します。医薬品情報管理室では、医薬品オーダマスタ、調剤支援システムマスタを一元的に管理しています。一元的なマスタ管理を通して、投与量、投与日数、用法、注射手技、さらに薬剤の併用禁忌情報をシステム上に反映させることで医師の処方支援を行っています。また持参薬鑑別業務開始に伴い、当院非採用薬についてもマスタの管理を行っています。

5.医薬品による副作用情報の収集

医薬品の使用もしくは予防接種によって発生したと疑われる健康被害情報(副作用情報、感染症情報、不具合情報)の情報収集を行い、内容に応じて厚生労働省および医薬品企業への報告を行っています。

6.院内医薬品集の作成

病院内で使用されている医薬品について薬物治療の設計と実施に際し、必要な情報を簡潔にまとめ、医師をはじめとする院内医療関係者に提供する目的で作成されます。当院では、各採用医薬品の一般名、商品名、メーカー名、規格・単位、用法・用量、警告、禁忌、併用禁忌薬および貯法を掲載し、ポケットサイズの冊子にまとめています。2年に1度改定しています。

7.院内通知文書の作成

緊急安全性情報、重篤な副作用に関する情報など、緊急性のある事項については、随時、文書で通知しています。

8.その他

院内の医薬品の採用について審議を行う薬事委員会の運営、プレアボイド報告の収集、部内勉強会の調整や病棟担当者とのカンファレンスの実施、書籍の管理、そして医薬品に関するセミナーによる医療従事者への教育、等も行っています。