大分大学医学部

教授

穴井 博文

ANAI Hirofumi


長期循環補助用血液ポンプの開発

心臓血管外科、重症心不全治療の臨床に携わっている背景から、人工心臓開発、補助循環に関わる研究を行ってきました。軸流ポンプや斜流ポンプを人工心臓へ応用するための基礎研究を行い、JMS社と共同研究にて人工心肺用血液ポンプMixflow7™の開発、市販に至りました。この血液ポンプをECMOや補助人工心臓などの長期使用へ応用するために耐久性と抗血栓性の向上を目指した改良を行ってきました。ピボットベアリングの改良、インペラ構造の改造、ケーシングの形状変更などを行い動物実験での検証を行っています。

また、この血液ポンプが小型であるという特性を生かし、このポンプを用いた携帯型心肺補助装置の開発を行っています。携帯に適した小型の駆動装置はJMS社が主体となって開発し、人工肺、回路と一体化した機能評価を慢性動物実験にて検証しています。

このほか医工連携推進、産学官間連携による医療機器開発事業として、東九州メディカルバレー構想事業に参画に、医療現場の解放と企業研究者の支援、医療機器開発に関わるニーズ、シーズなどの情報のデータベース化、アイディアの早期具現化、試作品の製作を支援するための3Dプリンタや旋盤、フライス盤など様々な工作機器を備えた工房の運営も行っています。