大分大学医学部

講師

道越 淳一

MICHIKOSHI Junichi


生体の機能を代行する医用材料と生体反応の研究

生体機能代行装置学(血液浄化)

血液浄化に使用される合成高分子膜の生体適合性、および膜に吸着するタンパク質、白血球、血小板など、敗血症病態との関係を研究しています。生体は、人工的に作られた材料と直接血液が触れ合うことで、異物として、血栓形成、炎症、免疫反応などが起こることから、今もなお、新しい材料の設計や合成が研究されています。

生体機能代行装置学(呼吸器系)

急性期・慢性期・在宅医療で使用される人工呼吸器関連の研究を行っています。

特に、気道管理に必要な気管チューブや加温加湿に関連する研究ならびに機器開発を手掛けています。

医療機器や人工臓器の研究開発には、医学や工学、医用工学に関する幅広い領域の知識が必要になります。臨床医工学コースは、医学と工学にまたがる領域で両者の連携があってこそ実現可能となります。学生の方々とは、臨床で経験した、多くのクリニカルクエスチョンから医療機器の開発や評価法を一緒に勉強し、新たな研究を進めて行きたいと考えています。

教育
1年次:
医療科学入門・関係法規
2年次:
医療機器学
3年次:
病院マネージメント論、臨床支援技術学、生体計測装置学、医療機器安全管理学、人工臓器学(呼吸器系)(呼吸器系実習)
4年次:
卒業研究
研究・開発内容

所属学会等

最近の研究トピック

気管チューブのカフ圧管理
カフ圧の管理は、カフ上部からカフ下部への分泌物流入による人工呼吸器関連肺炎(VAP)との関連が指摘されており、我々は最適なカフデバイスのあり方を検討しています。 現在は、カフの素材・厚み・形状・気道との接触面積などに注目し、流体力学的および臨床的な視点から多角的に解析を行っております。関連論文はこちら
気管吸引と吸引圧の検討
気管吸引に関しては、吸引圧とその頻度が気道や肺組織に与える影響に着目しています。特に、過度な陰圧が肺実質に与える潜在的な損傷リスクについて、基礎研究および臨床現場での観察を踏まえた評価を行っています。関連論文はこちら
バクテリアフィルタ付人工鼻の適応と課題
また、バクテリアフィルタ付き人工鼻に関する研究では、共同研究を行っている市中病院において、COVID-19クラスター制御への寄与が示唆されました。一方で、慢性期の人工呼吸管理(療養病床や在宅)における人工鼻使用には、課題も多く明らかとなっています。関連論文はこちら