喘息は高血圧や糖尿病などの生活習慣病と同じように、病気についての正しい知識を持って、病気のコントロールをしていけば必ず克服できる病気です。現に先のシドニーオリンピックではオリンピック史上最多の喘息を持っている選手が出場し活躍しました。大分医科大学喘息教室は15年前の開講当初から 「自分自身が主治医」 をモットーに、喘息患者さんが自分の病気をコントロールできる能力を身につけていただくお手伝いをしてきました。この15年の間にも喘息治療は目覚しく進歩してきました。1993年には 『喘息治療のガイドライン』 が作成され、さらにその後も改訂が続けられていますが、専門医のみならず広く内科、小児科の先生方の診療の大きな味方となっています。昨年4月から保険適用となったピークフローメーターは家庭で日々の気管支の状態を客観的にチェックできる簡便な器具です。ピークフローメーターを積極的に取り入れていただき、ステロイド吸入療法のように非常に安全で効果的な薬を上手に使うことにより、重症の喘息発作を起こす患者さんが激減しました。そして喘息発作に煩わされることなく仕事や勉学、スポーツなど日常の生活をごく普通に送れるようになりました。
喘息教室では医師、看護婦、栄養士などの医療スタッフが喘息とはどのような病気か、喘息の治療と自己管理について、喘息患者の日常生活について、喘息患者の食事管理についての講義を毎月1〜2回水曜日の午後に行っています。詳しい日程表は内科外来の待合室に貼ってありますので見て下さい。内科外来に通院しておられる患者さんが対象となっていますが、本学以外の医療機関に通院されている方や、御家族のどなたかが喘息を持っておられるという方も歓迎致しますので気軽に参加して下さい。また喘息教室では大分医科大学喘息患者会(睦会)との共催で毎年夏に県内外から専門の先生をお招きして公開講演会を行っています。開催近くになりましたら新聞やラジオ、テレビにも情報を流しますので是非こちらにもお越し下さい。
喘息教室も来年度からは、今まで以上に患者さんのニーズに合った活動をしていこうと計画中です。喘息患者さんのためのリハビリテーションの指導やダニ対策の新しい戦術の御紹介などを考えておりますが、もし皆様方からの御希望や御相談がありましたら、遠慮なく内科外来までいらして下さい。
(文責 水城 まさみ)