大分医科大学附属病院は1981年から20年間、大分県地域医療の中核病院として高度医療を提供し、患者さんの健康を維持・増進できるように努力しております。
その中でも手術部は、手術を受けられる患者さんに安全で快適に手術を受けられるように、また各診療科の最新の知識と技能を駆使し最先端の手術ができるように環境を整えることを第一の使命としております。現在、手術室は11室(うち1室は小手術用)で、平成11年度の手術件数は3980例と、国立医科大学附属病院としてはトップクラスの手術件数を誇っております。
手術部・手術に関して漠然としてよくわからないと言う印象を持たれている一般の方が多い様ですので、以下によく聞かれる御質問とその回答をまとめてみましたので是非読まれてください。
手術部Q&A
1.大分医科大学附属病院手術室ではどんな手術をしているの? 外科第一と外科第二が消化器・胸部外科を行い、その他心臓血管外科、脳神経外科、整形外科、皮膚科(形成外科)、泌尿器科、眼科、耳鼻咽喉科、産婦人科、歯科口腔外科、内科、精神神経科、麻酔科等が手術や検査を行っています。また臓器移植法による臓器提供施設としての体制も整えています。手術の種類、手術件数ともに大分県では最大の病院です。
2.手術室に入る前にどんな準備をすればいいの? 受けられる手術によって変わる場合がありますが、一般的には手術前日の夜からなにも食べたり飲んだりできなくなります。それは、全身麻酔にかかって意識がなくなったときに、食べていた食べ物が胃から逆流してきて肺に入ったりすると非常に重篤な肺炎になり命に関わるためです。また、下剤を飲んでいただいたり、浣腸をしていただく場合もあります。
3.手術するときはどういう服装にするの? 通常は、病院着を着ていただき手術部に入室していただきます。そして手術台でシーツをかけたあと病院着、下着を脱いでいただきます。これは意識がなくなった患者さんの全身に異常がないか?圧迫がないかを常に監視するためにどうしても必要なことです。また、指輪、入れ歯などもはずしていただきます。これも、血圧が下がって指輪の先の部分の血行が悪くなったり、誤って入れ歯が落ち込んだりしないために必要なことです。
4.手術室に入ったらまずなにをするの? まず、全身状態を把握します。熱はないか、心拍数、血圧、心電図等で異常がないか検査します。また、手術室での治療にもっとも重要な点滴を取ります。その後、患者さんによっては背中から麻酔の針を刺したりします。そして全身麻酔では通常は点滴から麻酔薬を入れてすぐ眠っていただきます。
5.手術しているときは、起きているの(意識があるの)? 患者さんの状態、手術の種類などで、全身麻酔になった場合は、手術している間は全く意識がありません。ただ、局部麻酔で手術を受ける場合は手術の音とかが聞こえることがありますが、手術中に緊張を取ったり、眠れるようにする薬を併用できますから、御安心ください。
6.手術中にトイレに行きたくなったらどうするの? 通常は全身麻酔下で意識がないときにも、膀胱が張ったりしないように膀胱に管を入れて、尿が自然に出るようにしていますので心配いりません。
7.手術室は暑かったり?寒かったりするの? 手術室は完全空調で温度はほぼ一定です。また、気圧を大気圧より少し高圧にして、埃などが手術室に入らないように工夫されています。全身麻酔で長時間手術時は体温が下がりやすいので、体温が下がらないように温風毛布などを使用しています。
8.手術の後は傷が痛むの? 手術は、患者さんの体にメスを入れるわけですから、手術の後で傷が痛んだりすることがあります。しかし、現在では、術後の痛みを押さえるのに有効な薬や治療法が開発されており、患者さんが術後も快適に過ごされるよう努力しています。
9.麻酔薬が効かないことはあるの? この病院では20年間麻酔業務を行っておりますが、麻酔が効かなかったことはありません。ただ個人差があり、過敏に反応される方もいらっしゃるので、我々は細心の注意を払っております。
以上、簡単に一般的な手術の説明をさせていただきました。手術を受けられる患者さんは、一大決心をされて手術に臨まれています。ですから、我々手術に携わるスタッフ一同それを肝に銘じ、患者さんの安全を最優先に高度医療を行っていきたいと思います。
(文責 北野 敬明)