国立病院の紹介で、妻が附属病院に入院した翌日、「かけはし」1号を拝読しました。
附属病院の歴史、医学の変環・変革、各専門家の医療施設、医学への真摯な研究や看護婦・士さんを初め、それぞれの立場で活躍されている方の様子を紹介された院長のご挨拶に、信頼と感謝で胸が膨らみました。
また、医学・医療の進歩・改革や医療制度に必然的に生じるリスクへの対応や、時に報じられるいろいろな事象への深慮が窺えて、尊厳という以外に言葉を知りません。
そして、妻をベッドに残し、病院を後にする途で、改めて生きることやフランスのパスカルの言葉を思い出していました。院内に懸命に、ていねいに、親切に対応される医師の方々、看護婦・士を初め、間接的に関わって下さる全ての方に、心から感謝申し上げます。
俗に、「人は一人では生きられない」 と言いますが、その象徴的な一つが、生きる途と終焉で必ずお世話になるのが病院の先生、看護婦・士さんであり、また、それぞれの立場で貢献されている方々です。今、病臥の妻に懸命に対処下さっている上記の方々や実習生、食事の準備や清掃などに尽力されている方々に、心の中で手を合わせます。
私は、入院の経験はありますが、今回の妻のように5〜6時間もかけての手術の体験はありません。今にして私は、健康な人と病む人との気持ちの落差の大きさを認識し、実感した晩蒔です。「お大事に・・・」 「頑張って下さい」 と病む人に今日まで言った 「独り善がり」 「言葉の空しさ」 を噛み締めましたが、小さく短い言葉や文章、ささやかな態度や不器用な表情しかできません。
・・・。妻の病名を知らされた時は、しばらくは頭が真っ白になりました。が、笑顔で自信に満ちた先生の顔を見て、「医は仁術」 と心の中で叫んでいました。今回、お世話になります須小、吉田、首藤の各先生、植木看護婦さん、ナースステーションの全ての方や関わり頂く皆様に、心から厚くお礼申し上げます。
いま一つ、名前(吉良さん?)を見落としましたが、実習生が挨拶にこられました。そして、実習が終わった日でした。妻のベッドに 「・・・ありがとうございました」 と記された小さなメモがありました。若い女性のこの一言は、小さな紙を何倍にしても届かない感動でした・・・。「かけはし」 が、「21世紀への虹の架け橋となる附属病院だ」 と信じた心を、なお増幅させたその日でした。