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大分大学医学部附属病院薬剤部
 
部門紹介
薬 物 動 態 解 析 室

薬物動態解析室では、主に薬物血中濃度を指標とした治療的薬物モニタリング(therapeutic drug monitoring; TDM)を行っています。現在、測定機器としてDimension Xpand、TBA-25FR、高速液体クロマトグラフィー(high performance liquid chromatography; HPLC)、イオンメーターの4種類を使用しており、28項目の薬剤を対象としています。一部の薬剤については時間外も対応しています。近年、薬物治療におけるTDMの重要性を裏付ける報告が多くなされており、当院における血中濃度測定件数も増加傾向にあります。測定した薬物血中濃度は速やかに電子カルテに入力し、必要時には病棟担当薬剤師と連携し医師へ用法用量の変更などを提案しています(図1)。また、抗MRSA薬であるVancomycin、Teicoplanin、Arbekacinを中心に、医師から依頼があった際に、ベイズ推定を用いたシミュレーションによる初期投与設計も行っています。

また,TDM業務に加えて超高速液体クロマトグラフ-タンデム型質量分析装置(ultra performance liquid chromatography-tandem mass spectrometry:UPLC-MS/MS)およびガスクロマトグラフ質量分析装置(gas chromatography-mass spectrometry:GC-MS)を用いた薬物中毒物質のスクリーニング業務を展開しています。急性中毒の起因物質の多くは医薬品であり,原因物質が不明の場合や,候補物質がある程度絞られている場合の確認目的で,血漿・尿・胃内容物中の薬物スクリーニングを実施しています(図2)。

 

図1:病棟担当者とのDiscussion風景

 

2UPLC-MS/MSを用いた中毒業務