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総合臨床研究センターについて(GCRC)

センター長ごあいさつ

臨床研究の推進は、大分大学医学部が取り組むべきもっとも重要な課題のひとつであり、治験を含む臨床研究を支援するためのインフラとして7つの部門(クリニカルトライアルユニット部門、治験薬・試験薬管理部門、臨床研究企画・コンサルテーション部門、運営・管理部門、ネットワーク部門、統計・データセンター部門、信頼性保証部門)からなる総合臨床研究センター(GCRC)を設置しております。質の高い臨床試験を通じて新しい治療概念を検証していくことはGCRCに課された最も重要な使命であります。学内の講座はもちろん学外の研究組織や企業との間で集学的な連携を深めることで 、価値のあるclinical and translational scienceを推進していきたいと考えております。

センター長
  • 総合臨床研究センター センター長
  • 上村 尚人Uemura Naoto

総合臨床研究センターの概要

20床の研究専用ベッドを有するクリニカルトライアルユニット部門(CTU)では、健常人を対象とした第Ⅰ相試験はもちろん、患者を対象としたコントロール下の臨床試験の実施が可能です。

治験薬・試験薬管理部門は、厳格な治験薬管理のもと様々な製剤を用いた研究を支援しています。

臨床研究企画・コンサルテーション部門は、種々の臨床試験について計画の初期の段階から試験デザイン等に関する相談を受けています。

運営・管理部門では、CRC による治験実施支援とIRBへの支援を行っており、ネットワーク部門では、大分県内の多数の医療機関と連携したネットワーク治験を支援しています。

統計・データセンター部門にはデータマネジメントシステム(プロマシスR)を配置し、多施設共同研究のデータマネジメント業務等を行っています。

信頼性保証部門には専任の医師を配置し、医学的な視点でモニタリングとシステム監査を実施する体制をとっています。

CTU

CTU
CTU
CTU

組織体制・活動内容

組織体制

総合臨床研究センターは、クリニカルトライアルユニット部門(CTU)、治験薬・試験薬管理部門、臨床研究企画・コンサルテーション部門、運営・管理部門、ネットワーク部門、統計・データセンター部門、信頼性保証部門の7部門から構成されています。

クリニカルトライアルユニット部門は、大分大学医学部附属病院の4階中央診療棟にあり、20床の研究専用ベッドで臨床試験を行うことが可能となっています。早期臨床試験専用施設としては国立大学病院の病棟内で初の設置となり、部門長以下、医師、薬剤師、看護師、臨床検査技師など、早期臨床試験に対応可能な専任スタッフも充実しています。

治験薬・試験薬管理部門は、厳格な治験薬管理のもと様々な製剤を用いた研究を支援しています。

臨床研究企画・コンサルテーション部門では、臨床試験のデザインの企画から助言を行っています。

運営・管理部門では、臨床研究審査委員会事務局をはじめ、製薬会社と病院間の契約や経費に関わる業務を行い、治験が円滑に運営できるように支援しています。

ネットワーク部門では、これまで臨床薬理センターに置かれていた大分県内64の医療施設からなる豊の国臨床試験ネットワーク事務局を基盤に大分県内での臨床試験のさらなる推進を図ることとなりました。

統計・データセンター部門では、臨床試験における生物統計アドバイザーとして豊富な経験を持つ専門家による臨床試験における統計解析を行っております。

信頼性保証部門では、臨床研究における内部監査、プロトコル監査を実施予定です。

組織図

GCRC組織図
  • 総合臨床研究センター運営・管理部門
  • 内線6163

活動内容

総合臨床研究センターは、大分大学医学部附属病院において早期臨床試験(第Ⅰ相試験)からすべての臨床試験を実施する支援体制を構築しています。

  1. センター内に治験受付施設から治験実施施設、データ解析施設までが揃い、治験を含む臨床研究の支援・実施が一元化されています。
  2. 医師、CRC、薬剤師、検査技師、看護師などの専任スタッフを配置しています。また、それらスタッフのみならず、データ解析・治験のマネジメント等に関する広い範囲で臨床試験に精通したスタッフを養成しています。
  3. 国立大学病院で初めて病院内に臨床試験専用病床を設けています。
  4. 病院内の各専門医との連携による臨床試験実施が可能です。
  5. 特殊病態時の臨床薬理試験の実施が可能です。
  6. 生物統計・データマネージメントを支援しています。
  7. 地域治験ネットワーク(豊ネット)の中核として機能しています。
  8. 国内外の大学病院や医療機関とネットワークを結び、国際共同治験の推進を図っています。
  9. 地域ネットワーク(豊ネット)と連携して大分県内の臨床試験の推進を図っています。

運営・管理部門

運営・管理部門では、主に下記2つの業務を行っています。

治験事務局、治験・介入臨床研究審査委員会事務局

事務局では、当院で実施する治験、製造販売後臨床試験および自主臨床研究に関する事務手続き、治験・介入臨床研究審査委員会(IRB)運営を行っています。

また、IRBでは他施設で実施される治験等の審査も行っております。

臨床研究コーディネート

治験の第I~Ⅲ相試験支援の他、製造販売後臨床試験、自主臨床研究の支援を行います。

専任のCRCが6名在籍し、試験の受託から終了に至るまで、試験の進捗管理、及び被験者(患者、健康人)、試験責任医師、依頼者への直接的及び間接的支援を通して、円滑な試験の実施を図っています。特に被験者の方の支援・ケアに重点を置いて業務を行っており、また多忙な医師が円滑に試験業務を行えるようにスケジュール調整や業務支援も行っています。

さらに、検査部や放射線部など院内各部署との連携体制構築のためのコーディネートも行っています。これらの業務により、科学的かつ倫理的な試験の実施を担保し、また依頼者との連絡を密にし、依頼者の負担軽減も念頭に置きながら業務を行っています。

以上のような業務を通して、臨床試験に参加する被験者、医師及び医療従事者、そして依頼者の満足度向上を目指し、新たな薬物・医療機器の開発や新たなエビデンス構築の支援を通して、よりよい医療サービスのために貢献したいと考えています。

治験薬・試験薬管理部門

治験薬管理

治験薬管理責任者である薬剤部長を中心に、薬剤師が治験薬の管理、調剤を行っています。

当院では、治験薬の処方もオーダリングシステムを利用しているため、併用禁止薬や併用制限薬をあらかじめ登録しておくことにより、コンピュータ上でチェックできるシステムとなっています。

安全で適正な治験を実施するために、薬の専門家の立場から医療チームの一員として支援しています。

機器
機器
機器
試験

臨床研究企画・コンサルテーション部門

臨床研究支援

近年、臨床研究は調査研究、実験、臨床試験およびケース・コントロール研究などで行われ、統計解析に基づく科学的根拠の説明が要求されています。質の高い臨床医学研究のためには、これらに配慮し入念に作成されたプロトコールに則したデータ収集と管理が必要です。

臨床研究は明確な仮説を設定し、その仮説を検証できる研究計画にする必要があります。特に介入(観察研究の場合は暴露・要因)、対象(組み入れ・除外基準だけでなく、症例数設定を含む)、アウトカムを明確に規定する必要があります。被験者の割付についても、公正さを客観的に第3者に保証するための手続きを整備して行う必要があります。また、プロトコルや説明文書・同意書は、「臨床研究に関する倫理指針」に沿った内容にしなければなりません。介入研究では健康被害への補償措置への対応も求められます。臨床研究をお考えの方は 、まだ発案の段階でも結構ですし、プロトコルが出来上がっていない段階でも結構ですのでご連絡ください。

クリニカルトライアルユニット(CTU)部門

クリニカルトライアルユニット部門の紹介

平成20年4月より、附属病院一階西病棟内に臨床試験専用病床であるクリニカルトライアルユニット(CTU)が新設されました。

このたび設立されたクリニカルトライアルユニット(CTU)は高度医療機器を備えた各診療科との連携および大分県の主要な医療機関が参加している豊の国臨床試験ネットワークの御協力のもと、早期臨床試験を中心に患者さんの病気の治療に役立つエビデンスを創出します。

CTU職員は第Ⅰ相試験のメディカルアドバイザーを務める医師、専任の薬剤師・看護師・臨床検査技師・事務員から構成され、質の高い実施体制を整備しています。

大分医科大学開学以来の臨床薬理の伝統を引き継ぎながら、患者さんに役立つ臨床研究や治験の実施に向けて全力を尽くしたいと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。

集合写真
  
クリニカルトライアルユニットの特徴
  1. 治験第Ⅰ相試験に対応する試験実施体制
  2. 国立大学病院内初の臨床試験専用ベッド
  3. 臨床専門医との連携による特殊病態時の臨床薬理試験の実施
  4. 専任スタッフによる臨床試験の実施
  5. 豊の国臨床試験ネットワーク(豊ネット)参加医療機関との連携による臨床試験の実施
  6. 6大学病院ネットワーク(Jan-Cliph)による早期臨床試験の実施

ネットワーク部門

豊の国臨床試験ネットワーク(豊ネット)は、平成18年度に文部科学省大学病院治験推進事業並びに日本医師会地域治験推進ネットワーク研究事業より援助を受け、大分県初の臨床試験ネットワークを構築してまいりました。現在64の医療機関が豊ネットに参加しております。

豊ネットの目的は、国民の健康・福祉の向上に寄与するために、より良い新医薬品を出来るだけ早くお手元にとどけることにあります。

質の高い臨床試験の遂行は医療の質の充実につながります。勉強会を通して治験担当者の教育の向上を計り、質の高い臨床試験を行うことを心掛けています。

信頼性保証部門

準備中

統計・データセンター部門

データセンター部門の役割は(1)データマネジメントと(2)統計解析コンサルタントに大きく分類されます。ランダム化、被験者の登録割付け、症例数設定、統計手法等について支援しています。

データマネジメント

データマネジメント業務では臨床試験プロトコールに基づく患者情報登録および処置の割付、その後の調査票回収、データ管理、さらには脱落した被験者の追跡調査です。したがって、長期に亘る被験者データの管理を行うことになります。データマネジメント業務の整備に向けて、その業務システム構築とデータマネジャーの育成を行っています。

統計解析コンサルタント

統計解析業務の役割は一般の医学研究および臨床試験での統計学的コンサルタントとデータ解析になります。最近の大学評価では研究が重視されるようになりました。また、学際的研究が医学分野でも重要になっています。データセンター部門では学内研究者の研究支援ができるように、統計業務スタッフは数理統計学、生物統計学およびデータ解析の研究を行い、日々研鑽努力したいと考えています。生の医学データや研究に接することは、スタッフの勉強にもなりますので、統計解析の相談はお気軽にお申し込み下さい。