一般の方へ
薬ができるまで
新薬やより効果のある薬の開発には、皆さんの協力が欠かせません。かぜをひいたとき、おなかが痛くなったときに気軽に飲める薬局のくすりも、病院や診療所で出されるくすりも、治験で安全性や効果が認められるまで、長い開発期間を経てつくられたものです。
ここでは、くすりができるまでの過程や、治験に対する理解を深めていただければと思います。

1.基礎研究
- くすりになりそうな新しい物質を探したり、創り出します。

2.非臨床(動物実験)
- そのくすりにどのような効果があるのか、どのようにからだの中で動くのか、安全なのかを動物を使って調べます。

3.臨床試験
- この部分を治験といいます。実際の患者さんや、健康成人などに薬を使っていただき、安全性や有効性を調べます。

4.承認審査
- 今までの試験のデータを集め、国(厚生労働省)にくすりとして認めてもらうため審査します。
実施中の治験
当院で実施中の治験及び製造販売後臨床試験です。
お問い合わせ先
- 大分大学医学部附属病院
- 総合臨床研究センター
- 電話番号:097-586-6163 受付時間:平日 9時~16時
実施中のがん治験
当院で実施中のがんを対象とした治験及び製造販売後臨床試験です。
お問い合わせ先
- 大分大学医学部附属病院
- 総合臨床研究センター
- 電話番号:097-586-6163 受付時間:平日 9時~16時
実施中の臨床研究
当院では、臨床研究を実施しています。それぞれ細かい基準が設けられています。
基準に合致しない方、予定人数に達した場合はご希望にそえない場合があります。ご了承ください。
お問い合わせ先
公表されている担当者所属機関の電話番号へご連絡願います。
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企業が調査結果を学会や論文などで公表することを目的とした製造販売後調査
- 厚生労働省の承認後、日本で発売された医薬品や医療機器、再生医療等製品が日常診療で使用されたときの安全性や有効性を確認する調査のことを製造販売後調査といいます。製造販売後調査は、製造販売を行う企業の義務として法令で実施することが定められています。法令では、実施する際に患者さんの同意を必要としていないこと、患者さんのお名前など、個人を特定できる情報を企業に提出しないため、患者さんに不利益は生じないと考えられることから、患者さんの同意は原則、取得していません。
- しかし、製造販売後調査の結果は国(厚生労働省)に報告される他、学会や論文などで広く公表することを目的とするものもあります。企業が調査結果を学会や論文などで公表する場合も、患者さん個人を特定する情報が公開されることはありませんが、当院では、患者さんの意思を尊重するため、このような調査については(事前に同意を取得する必要のある調査を除く)、患者さんへ調査結果が公表されることについてお知らせし、了解いただく機会を設けると共にお断りいただける機会(オプトアウトといいます)を設けることとしました。
- これらの調査に参加しているかどうかお知りになりたい場合や、企業による調査結果の公表をお断りしたい場合は、各調査の担当医師または主治医までご連絡ください。ただし、お申し出を受ける期間が決められていますのでご留意ください。
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調査名 診療科名 デファイテリオ静注200mg一般使用成績調査 血液内科 デファイテリオ静注200mg一般使用成績調査 小児科 メグルダーゼ静注用 1000 一般使用成績調査(全例調査) 小児科
治験Q&A
治験とは。。。
新しいくすりは何千というくすりの候補の中から、安全で優れたものだけが選ばれて、広く患者さんに使えるようになります。くすりや医療用具などが有効で安全かどうかを、患者さんや健康な人に協力していただいて調べる試験のことを、「臨床試験」といいます。この臨床試験の中で、くすりや医療用具を国(厚生労働省)から製造販売の承認をしてもらうために行う試験のことを「治験(ちけん)」と呼びます。

臨床試験(治験)ってなに?
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Q1:治験って安全性は大丈夫なの?
- 治験はヒトを対象とした試験なので、患者さんの人権や安全性を守るために大変厳しい規則があります。「医薬品の臨床試験の実施に関する基準:GCP」といわれる法律です。治験を実施する製薬会社や病院は、このGCPを厳重に守り、治験を適正に実施することが義務づけられています。また、病院内に設置された「臨床研究審査委員会」で、患者さんの立場に立って倫理的・科学的に問題がないかどうかが検討され、この委員会に「よって承認された後にはじめて実施できるシステムになっています。
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Q2:創薬育薬ボランティアってなに?
- 現在市販されているすべてのくすりは、多くの方々の協力により生まれたものです。新しいくすりが開発され市販されるまでの治験の段階を「創薬(そうやく)」、市販後に本当にくすりが病気の治療に役立っているかどうかを確認し、より適切な使い方を調べる研究を「育薬(いくやく)」と呼んでいます当院では、創薬や育薬に参加いただいている方を「創薬育薬ボランティア」と呼びます。
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Q3:治験コーディネーターってどんな仕事をしているの?
- 大分大学医学部の治験コーディネーターは薬剤師と看護師です。総合臨床研究センターに所属しています。創薬や育薬は、患者さんと医師、製薬会社の協力によってはじめて成り立つ医療です。治験コーディネーターは、規則にのっとった臨床試験を円滑に行うためのさまざまな業務を患者、医師、製薬会社に対して行う、いわば3者の間の調整役を担っています。創薬や育薬に関することはどんなことでもお気軽に創薬オフィスにお立ち寄り、治験コーディネーターにお尋ねください。
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Q4:創薬育薬クリニックは何をするところなの?
- 創薬育薬クリニックは、創薬育薬ボランティアとして臨床試験に参加された患者さんのために設置された専門外来です。病院2階の臨床薬理センター外来の中にあります。ここでは、治験コーディネーターが、医師の診療の支援をはじめ臨床試験に参加した患者さんのケアや相談に応じ、質の高い臨床試験の実施を目指して働いています。
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Q5:治験っていうと少し不安だけど...
- 治験に参加していただく時には、治験を行う医師から新しいくすり(治験薬)の特徴や試験の内容、予想される効果や副作用について、説明文書による十分な説明があります。その上で、治験に参加するかどうかは本人の自由な意思を尊重することになっています(インフォームド・コンセント)。十分に説明をお聞きになって、納得したうえで治験に参加するかどうかを決めて下さい。良いくすりをつくり育てるためには、創薬育薬ボランティアとして参加する多くの患者さんの協力が必要となります。臨床試験(治験)は、創薬育薬ボランティアの方々が存在してはじめて成り立つ医療なのです。これからのより良き医療を築いていくためにもみなさまにご協力をお願いしたいと思います。
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Q6:治験の基本的なルールは?
- 治験では、「くすりの候補」となる物質を人に試すこととなりますので、治験に参加していただく方の人権や安全が最大限に守られなければなりません。それと同時に、「くすりの候補」の効き目や安全性を科学的に調べなければなりません。厚生労働省は「医薬品の臨床試験の実施の基準」(GCP)という大変厳しい基準を定めていて、治験はその基準に従って行われます。GCPでは、大きく言うと、以下のルールが定められています。
- ・治験の内容が治験に参加する方の人権や安全性を守れるものかどうか、科学的な方法かどうかを病院で設置されている「臨床研究審査委員会」(IRB)で審査します。その後、病院長が了承した場合に、治験が開始されます。
- ・「臨床研究審査委員会」(IRB)には、医学、薬学等の専門家以外の、病院と利害関係のない人が委員として参加することが必要です。
- ・医師は、治験を開始する前にその目的や方法、予想される効果や起こるかもしれない副作用を十分に説明した上で、その方の同意を得なければ、治験を行うことはできません。また、文書による説明であり、文書による同意でなければなりません。このことをインフォームドコンセントといいます。
- ・治験に参加された方のプライバシーは、厳重に守られなければなりません。治験の結果が公表される時も、名前などが外部に漏れることはありません。
- ・治験に関連した副作用や健康被害が起こった時は、治験依頼者(製薬会社)が必要な治療と補償をしなければいけません。
- 治験では、「くすりの候補」となる物質を人に試すこととなりますので、治験に参加していただく方の人権や安全が最大限に守られなければなりません。それと同時に、「くすりの候補」の効き目や安全性を科学的に調べなければなりません。厚生労働省は「医薬品の臨床試験の実施の基準」(GCP)という大変厳しい基準を定めていて、治験はその基準に従って行われます。GCPでは、大きく言うと、以下のルールが定められています。
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Q7:参加を依頼されたらどうしたらいいですか?
- まず、治験を行う医師が現在の病気の状態や、考えられる他の治療方法、「治験」での治療方法について「説明文書」を用いてくわしく説明します。他にもわからないことがあれば、なんでも質問してください。 その説明の内容を十分に理解できたら、あなた自身の自由な意思で決めてください。
- その場で返事をする必要はありません。ご家族とご相談するなどして、よく考えてから返事をしてください。
- また、治験への参加をおやめになっても、今後の治療に差し障るなどの不利益は全くありません。
治験への参加に同意されたあとでも、途中で取りやめることができます。
創薬ボランティアってなに?
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Q1:創薬ボランティアってなに?
- くすりの開発にご協力いただいている方のことです。
当院では、より良き治療法の開発のために臨床試験(治験)を実施しております。
この臨床試験は、法律に基づき、国の定めた基準 (GCP) に従って行われています。
- くすりの開発にご協力いただいている方のことです。
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Q2:相談は?
- 担当の医師または創薬オフィスの職員に、気軽にご連絡ください。
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Q3:途中でやめることができるの?
- 治験への参加は患者様の自由意思ですので、担当医師へ「やめたい」ということをお話いただければ、いつでも取りやめることができます。
ただし、治験薬の服用を開始している場合は、安全のために検査を受けて頂くことがあります。
- 治験への参加は患者様の自由意思ですので、担当医師へ「やめたい」ということをお話いただければ、いつでも取りやめることができます。
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Q4:費用は?
- 治験薬服用中は、治験薬や検査にかかる費用については、病院が負担しますので、あなたの支払額は軽減されます。
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Q5:「負担軽減費」ってなに?
- 交通費などとして、来院1回ごとに費用をお支払いいたします。
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Q6:詳しく知りたい方へ
- くすりとのつきあい方や、創薬ボランティアについてのビデオがあります。臨床試験支援部門(創薬オフィス)でご覧になりませんか?
良いくすりができるためには、患者さんのご協力が不可欠です。
これからのより良き医療のために、ご協力をお願いいたします。
- くすりとのつきあい方や、創薬ボランティアについてのビデオがあります。臨床試験支援部門(創薬オフィス)でご覧になりませんか?
治験用語集
治験
- 新しい薬が、本当に「安全なのか」、「効き目があるのか」を詳しく調べる試験です。この試験によって得られたデータ(治療効果、副作用など)は、厚生労働省で審査され、 医薬品として使用してよいかどうかが検討されます。
製造販売後調査
- 医薬品として厚生労働省から認められた後、高齢者や幼児などを含めた多くの人に使用される中で、新しい副作用や他の薬剤との相互作用など主に安全性に関して、さらなる情報を収集する目的で行われる試験です。
ヘルシンキ宣言
- ヒトを対象とした研究において、研究にボランティアとして参加される人の人権は、科学や社会に対する利益よりも優先されることを定めた医学研究の倫理的原則。治験はこのヘルシンキ宣言に基づいて人権を尊重して行われています。
IRB:Institutional Review Board(治験審査委員会)
- 治験に参加される人の「人権」と「安全性」及び治験の「科学性」について審査する組織です。審査委員として病院の医療従事者の他に病院と利害関係のない人や医学・薬学の専門家以外の人も含まれています。当院では治験審査委員会という名称で行っています。
インフォームドコンセント
- 治験の目的や方法、参加することで得られる利益(治療効果など)、及び不利益(副作用など)など、治験に関して十分に説明を受けた後に、自由意思によって治験に参加することに同意をすることです。
CRC: Clinical Research Coordinator(治験コーディネーター)
- 治験を円滑に行うためにサポートするスタッフのことです。治験に参加される方への治験の説明や相談、治験における医学的判断を伴わない医師業務のサポート、治験に係る事務的業務などを行います。