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大分大学医学部附属病院薬剤部
 
部門紹介
チ ー ム 医 療

近年、チーム医療における薬剤師の役割が注目されています。医療チームで薬剤師が専門性を発揮することで、薬物治療の質が高まるだけでなく、医師などの労務負担が減少し、本来の職務に専念できることが明らかになっています。

 

  • 栄養サポートチーム(NST)

    NSTは、個々の患者に応じた最適な栄養療法を提供するため、医師のみならず看護師、薬剤師、管理栄養士、臨床検査技師らがそれぞれの専門的な知識・技能を活かしながら、多角的な視野から栄養サポートを実践するチームです。NSTでは、静脈栄養管理のみならず、より生理的である経腸栄養から経口の栄養をも含めた栄養療法全体を支援しています。

    NSTにおける薬剤師の役割として、薬剤の適正使用に対する情報提供があります。患者の病態により栄養剤の補給方法が異なりますが、高カロリー輸液の場合は、併用する薬剤との配合変化、相互作用には細心の注意をし、問題を起こさないような薬剤の使い方をしなければなりません。そのため、経静脈栄養剤、経腸栄養剤等の特性、メニューの提案、栄養剤と薬剤との相互作用の確認、経腸栄養剤による下痢や誤嚥性肺炎の予防方法について、患者やチームのメンバーに情報提供しています。

     

  • 緩和ケア支援チーム

    本院では平成15年8月に緩和ケア支援チームが組織され、活動を開始しました。チームは、医師(麻酔科、精神科、歯科口腔外科)、看護師、薬剤師、管理栄養士、医療ソーシャルワーカーから構成されています。

    がんなどの生命を脅かす病気を持つ患者・家族のQOLの維持向上を目的とし、主治医や看護師などと協働しながら、がん医療の早期から身体症状や精神症状などの緩和ケアに関する専門的な知識や技術を提供しています。また、地域連携による切れ目のないケアの提供や、医療従事者などへの教育、院内および地域での緩和ケアの普及などを行っています。

    緩和ケア支援チームの目的
    1) 悪性腫瘍患者の良好なQOLを実現するために、身体的、精神的、社会的問題等に対して包括的なケアを行う。
    2) 患者や家族を一体として支える。
    3) 病棟スタッフへケアや知識を提供する。
    4) 緩和ケアの質の向上を図る。
     
    緩和ケア支援チームの活動内容
    1) 主治医、病棟看護師から依頼を受けた上でチームのメンバーが病棟スタッフを支援する。
    2) 必要時、患者・家族の要求に応えるように直接ケアを提供する。
    3) 患者・家族を含めたチーム医療を構築する。
    4) 緩和ケアの臨床研究を積極的にすすめる。
     
    チームにおける薬剤師の役割
    1) 医療スタッフへの薬剤に関する情報提供
    2) 患者・家族への薬剤管理指導→病棟担当薬剤師と連携

     
    写真2:症例カンファレンス(毎週火曜日実施)


  • 感染制御チーム(ICT)、抗菌薬適正使用支援チーム(AST)

    病院感染対策を実践していくためには、医師、看護師、薬剤師、そして臨床検査技師など多職種で構成されるチームでの取り組みが重要です。感染制御部で行っているチーム医療としては、ICT活動とAST活動があり、それぞれ加算の要件に従い専任の薬剤師を配置しています。感染対策協議会や相互チェックなど4職種で連携を取ることが多く、最も他職種と関わることの多いチーム医療の一つとなっています。


    【ICT活動】

    週1回、前3ヵ月間でMRSA検出率の高い病棟とカルバペネム系抗菌薬の使用密度が多い病棟を中心に、感染予防対策(手洗い、感染性廃棄物の分別、薬剤保管等)状況について、医師・看護師・薬剤師・検査技師を含む1チーム4~5名にて院内ラウンドを実施しています(写真1)。ICT活動における薬剤師の役割としては、消毒薬の適正使用の確認や複数回使用薬剤の開封後の期限の確認等、薬剤に関する介入が中心となっています。

     

     
    写真2:院内ラウンド(毎週木曜日実施)


    【AST活動】

    抗菌薬適正使用の推進

    週に2回(月:医師、薬剤師 木:医師、看護師、薬剤師、臨床検査技師)、カルバペネム系抗菌薬5日間以上連続使用者、抗MRSA薬使用者、CDI治療薬使用者、血液培養陽性例および耐性菌検出例を対象に感染制御部内にてミーティングを行っています(写真2)。広域抗菌薬使用の必要性の判断、適正な診断のための助言、PK-PD理論を考慮した最適な用法用量の選択、TDMの実施など、抗菌薬を適正に使用するための主治医への助言を、口頭あるいはカルテへの記載にて行っています。また抗MRSA薬については、薬物動態解析室と連携し、TDMに基づく処方設計も行っています。

     
    写真3:ASTミーティング(毎週月・木曜日実施)

    サーベイランス

    各診療科・病棟で使用された抗菌薬の種類および使用量を調査し、抗菌薬の適正使用を推進する上で有用な情報となります。3ヵ月に1回、感染制御部運営会議にて注射用および内服抗菌薬の使用量について報告しています。また、特定抗菌薬使用届出提出率や抗MRSA薬TDM実施率についても同様に報告を行っております。

     

  • 集中治療部・高度救命救急センター

    当院では平成24年6月より集中治療部ならびに高度救命救急センターにて薬剤管理指導業務を実施しています。


    【業務内容】
    薬剤管理指導業務

    臨床効果,有害事象,薬歴管理(相互作用,重複投与,禁忌症チェック)


    医師・看護師への情報提供

    医薬品の適正使用のための情報提供など医薬品情報,安全性情報,患者情報,サプリメント・OTCの摂取状況,相互作用,医療事故防止対策


    集中治療部回診

    病棟配置薬の管理

    救急カート・定数薬・処置薬のチェック,麻薬・毒薬・向精神薬などの管理薬剤のチェック

                   
    血中濃度測定薬剤の投与設計

    薬剤部との連携

    薬物血中濃度測定など


    中毒薬物スクリーニング

    中毒起因物質のスクリーニングと情報の検索

     

  • 外来化学療法室における薬剤管理指導

    外来化学療法では副作用が発現した場合、患者自身が対応することが必要であることから、事前の患者教育が重要となります。副作用・セルフケアに関する患者指導として、当院では、平成24年より、外来化学療法室にて治療を受けられる患者さんに対し、薬剤管理指導を開始しました。さらに、平成28年1月より、がん患者管理指導料3を算定しています。主に、①抗がん剤の治療スケジュール、副作用症状、発現時期および副作用対処方法などの説明、②抗がん剤以外の内服薬については処方内容、副作用、相互作用および服薬アドヒアランスなどの確認を行っています。

     

    薬剤管理指導 薬剤管理指導
    外来化学療法室における薬剤管理指導