平成24年度第3回 全学研究推進機構セミナー
1. 日時:2012年11月9日(金) 17:30より
2. 場所:大分大学挾間キャンパス 基礎実習棟3階305号室
3. 講師:宮崎大学医学部内科学講座神経呼吸内分泌代謝学分野 田口 明子准教授
4. 演題:中枢神経系における代謝調節シグナルの生理的役割
◆セミナー開催にあたって◆
今回、本機構に所属する徳永助教のお力により、宮崎大学医学部より田口明子准教授をお呼びし、セミナーを開催することが出来ました。
今回ご講演頂いた田口先生は、宮崎大学医学部内科学講座神経呼吸内分泌代謝学分野の准教授でいらっしゃいます。
宮崎大学にいらっしゃる以前はアメリカのハーバード大学医学部にて研究をされており、アメリカでの10年以上の研究を経て昨年10月に
ご帰国されたとのこと。
セミナーでは、脳インスリン/IGFsシグナルの欠失が寿命・老化のコントロールセンターの一つである可能性といった興味深い研究内容から、現代社会でも話題となっているアンチエイジングといった話題にも触れ、専門分野から参加していた先生方だけでなく、各分野から参加していた全員が大変興味深くセミナーを聴講出来る内容となっており、大変面白いセミナーとなりました。
(写真は、大分大学全学研究推進機構 徳永暁憲助教による挨拶の様子)
◆講演の様子◆
「中枢神経系における代謝調節シグナルの生理的役割」
老化と共にアルツハイマー、糖尿病、生理的疾患、
脳疾患といった疾患を発症するが、この糖尿病を含む生活習慣病の発症はインスリン/IGFsシグナルの低下に起因している。しかし、近年、下等動物モデルを用いた研究から、インスリン/IGFsシグナル経路の欠損が寿命を延長し老化を遅延することが示され注目を集めている。
田口准教授はここに注目し、アメリカでの研究において世界に先駆け哺乳流の脳インスリン/IGFsシグナルが寿命・老化のコントロールセンターの一つである可能性を示した。
老化に伴い記憶や学習等の高次認知機能の低下などが起こるが、本シグナルの欠損がこの様な生理的老化も抑制していることが判ってきたとのこと。
この様に、セミナーでは、脳インスリン/IGFsシグナルの代謝調節及び老化制御経路について、田口准教授がアメリカで行ってきた実際の研究及び現在宮崎大学で取り組んでいる研究の成果について発表が行われ、講演後も質疑応答等活発に行われ、大変有意義なセミナーとなりました。