この度、遺伝性乳がん卵巣がん(HBOC)の当事者会である特定非営利活動法人クラヴィスアルクスと大分大学医学部附属病院遺伝子診療室の共催により、「遺伝性がん当事者からの手紙」写真パネル展を大分県内で初開催しました。本展は1月6日~30日に大分大学医学部附属病院、2月1日~11日にJ:COMホルトホール大分で開催され、多くの方々にご来場いただき、温かいメッセージもお寄せいただきました。
2月8日には、HBOCの当事者であり、クラヴィスアルクス理事長の太宰牧子さんをお迎えし、特別講演会「~当事者の声とともに~自分が歩んできた道のりとこれからの遺伝医療に求めること」を開催しました。当日は、22名の方々にご参加いただきました。太宰さんは、ご自身のがんや遺伝子診断の経験、ご家族のこと、当事者会設立への思い、当事者の声、遺伝医療に求めることについて語られ、さらに参加者の方からの質問にも丁寧にお答えいただきました。参加者の皆さまは熱心に耳を傾けていらっしゃいました。また、太宰さんは、「大切なことは、一人ひとりに寄り添った、当事者が迷うことのないような支援が必要」と語られました。改めてよりよい支援のあり方を考え、実現に向けて取り組んでいくことの重要性を感じました。参加者の皆さまにとっても、スタッフにとっても大変心に響く講演会となったことと思います。太宰さんに心より感謝申し上げます。さらに、講演会後には、大分大学医学部附属病院主催の第5回市民公開講座「いのちと向き合う"遺伝と病気のはなし"」が開催されました。講座では、当院の小児科、産科婦人科、循環器内科、耳鼻咽喉科・頭頸部外科、膠原病内科における最新の遺伝医療や遺伝カウンセリングの取り組みが紹介されました。
ご来場いただいた皆さま、本イベントの開催にご協力いただいたすべての方々に心より感謝申し上げます。遺伝性がんや遺伝性疾患に関する理解が深まり、正しい情報が必要な方々に届き、「患者本位の最良の医療」のご理解への一助になれば幸いです。